三井倉庫ホールディングス㈱は6月28日、(一社)日本物流団体連合会が主催する「第24回物流環境大賞」で「先進技術賞」を受賞したと発表した。

同表彰は物流業界における環境保全の推進や環境意識の高揚等を図り、 サステナブルな物流の発展に貢献した企業の取り組みを広く社会に紹介し、 業界全体の同取り組みに対する意識向上を促進することを目的に創設されたもの。

今回、応募した同社の「グローバルサプライチェーンにおけるCO2排出量可視化サービスの開発」が、 30件の候補案件の中から、先進的な技術開発とその技術を活用して環境負荷低減に資する物流システムの創出を図っている事業者へ授与される 「先進技術賞」を受賞した。

6月27日(火)に行われた表彰式の様子。左より日本物流団体連合会の池田会長、三井倉庫ホールディングスの伊藤執行役員

●取り組みの概要
三井倉庫グループでは、顧客の持続可能なサプライチェーン構築をサポートする 「三井倉庫SustainaLink」 サービスの提供メニューとして、物流CO2排出量算定システム「MS CO2 Navigator」(簡易算定)、 「MS CO2 Analyzer」(一括算定)の2つを開発し、物流データ入力によりCO2排出量の可視化、削減のための施策立案をできるサービスの提供を開始している。

同サービスのコンセプトは物流に「脱炭素・低炭素」という評価基準を新たに設けることにより、 国際輸送も含めたサプライチェーン全体のCO2排出量可視化・削減提案に寄与すること。 簡易算定はウェブサイトから簡単に算定ができ、誰でも利用が可能な一方、一括算定は三井倉庫グループと所定の契約等を結び、物流データを提供することで利用が可能となる。すでに300万件以上の輸送データの算定実績を有しており、今後も脱炭素物流における改善効果の精緻な可視化を進めていくとしている。

「MS CO2 Analyzer」(一括算定)イメージ

●取り組みによる効果
従来、グローバルサプライチェーンにおける物流効率化施策は、CO2排出量の観点から評価されることは少なく、仮にCO2排出量を可視化したとしても日本国内の算定ガイドラインを使用して可視化せざるを得ない状況だsった。今回「MS CO2 Analyzer」を開発したことにより、国際的に認められた物流CO2排出量算定ガイドラインであるGLEC frameworkに基づいたCO2排出量の精緻な算定・可視化が可能となり、コストやリードタイムだけでなく、 「CO2排出量」の削減という新たな観点から物流効率化の提案をすることができるようになったとしている。