ダイキン工業㈱は5月31日、2025年を最終年度とする戦略経営計画「FUSION25」の後半3か年計画(2023~2025年度)を策定した。

FUSION25は、2021年度から始まり、本年はその中間年度に当たる。新型コロナウイルスの感染拡大により、それまで経験したことのない環境変化が起こり、先行き不透明な中でスタート。サプライチェーンの問題、脱炭素社会に向かう動きの加速、地政学的リスクの顕在化、インフレの高進等、その後も次々と起こる環境変化に対して、地産地消を基本とした事業の地域最寄化やグローバルに広がる販売網、組織の実行力等、同社が長年培ってきた強みを活かした施策を打つことにより成果を創出してきた、としている。

今期は売上高4兆1,000億円、営業利益4,000億円を計画しており、FUSION25の中間目標(2023年度に売上高3兆1,000億円、営業利益3,250億円)を大きく上回って進捗している。

今回のFUSION25後半3か年計画では、前半の成果や事業環境の変化を踏まえ、2025年度における定量目標を売上高4兆5,500億円、営業利益5,000億円(営業利益率11%)と設定した。

また、重点戦略テーマとして「カーボンニュートラルへの挑戦」や「顧客とつながるソリューションの強化」、「空気価値の創造」「北米での空調事業拡大」等の当初から掲げる9テーマに、「インドの一大拠点化」等の新たな2テーマを追加。それらの重点戦略テーマを深掘りし実行していくため、研究開発や生産能力の増強等、今後3年で約1兆2,000億円の投資を行い、時代の変化に対応しより大きく事業を拡大させることを計画していることを明らかにした。

●後半3か年計画の定量目標

●後半3か年計画の方向性
同社はFUSION25後半3か年計画の策定にあたり、ここ2年間の外部環境の変化および2025年以降の中長期的なトレンドからバックキャストし、2030年を見据え、今から取り組むべきテーマを設定。当初計画で掲げた重点戦略9テーマに、「インドの一大拠点化」「化学/高機能材料・環境材料のリーディングカンパニーへの挑戦」の2テーマを追加した11テーマの実行を推進する、としている。

重点戦略11テーマの全体像