RENATUS ROBOTICS㈱は5月25日、親会社の米国RENATUS ROBOTICS Inc.が、㈱イー・ロジット、Akatsuki Ventureが運営するDawn Capitalの双方から、SAFE型新株予約権の発行による200万ドル(約3.0億円)の資金調達を実施し、シードラウンドをファーストクローズしたと発表した。

同社は完全無人の倉庫を実現するため、今回調達した資金で採用と開発をさらに加速させるほか、引き続き同ラウンドでの追加調達を進めていく計画としている。

キービジュアル

●今回の資金調達の概要
・RENATUS ROBOTICSが持つ最先端のAI/ロボティクス技術
・イーロジットが持つEC物流のノウハウ
・Dawn Capitalが持つブロックチェーン領域のノウハウ
を掛け合わせることで、RENATUSの事業をより加速していくとしている。

●代表コメント
・RENATUS ROBOTICS 代表の大澤琢真氏のコメント
RENATUSは無人倉庫システムを開発するスタートアップです。現在、世界最大の規模において世界最大の効率を実現する自動倉庫システム「RENATUS」を開発、提供しています。今後は、商品ピッキング工程や入出荷の検品工程にも保有する無人技術を組み合わせ、完全無人の物流センターを実現して参ります。今回、イー・ロジット様、Dawn Capital様の協力を得て、共に「RENATUSを活用した超高効率な自動倉庫の運用」を進めて参ります。

・Dawn Capital ディレクターの山﨑大世氏のコメント
昨今、全産業においてAIが注目を集めている中、目的としてのAIではなく手段としてのAIという思想を持つことが重視され、社会実装への準備が着々と進んできていると実感しています。特に物流業界において、EC化率の向上やそれに伴う倉庫拡大時の人件費や資材コストの高騰、ドライバーの労働環境の適正化等、マクロ環境により生産性/効率性を高めることが迫られている状況です。AI×ROBOTICSをバックグラウンドに持つトップクラスに優秀なメンバーを有するRENATUS ROBOTICS社は、まさに物流業界に求められている存在であると確信し、投資をさせていただきました。今後、自動倉庫システム「RENATUS」の立ち上げが開始され、完成・稼働していくことが今から非常に楽しみです。RENATUS ROBOTICS社の強みがより発揮されるよう、Dawn Capitalは全面的にサポートしていきます。

山﨑大世氏

・㈱イー・ロジット 代表の角井亮一氏のコメント
働き方改革関連法によって2024年4月1日以降、ドライバーの年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されます。いわゆる2024年問題です。これにより、荷物配送サービスの提供が大きく制限される可能性が出てきました。また、これ以外にも、慢性的な人材不足や資源価格高騰により、物流業界全体が既存の収益基盤を大きく揺るがす事態に発展しております。物流業務を行う上で、「AI」や「自動化」への投資、また「自動倉庫システム」の導入は、物流業界全体にとって今後欠かす事の出来ない重要な要素となります。当社もRENATUS社の協力を得て、この度本格的な「AI自動倉庫システム」の導入を進めることになりました。同社のシステムが持つ「ワンストップ梱包システム」により、作業生産性の向上や倉庫活用の高密度化や大幅コスト削減が見込まれ、高いROIの倉庫を実現することができます。ぜひご期待下さい!

角井亮一氏

●パートナーコメント
・㈱MonotaRO 代表の鈴木雅哉氏のコメント
弊社は2021年頃秋頃より、大規模物流センターへの「RENATUS」の導入を検討するため、RENATUS ROBOTICSの皆様と共に性能検証プロジェクトに取り組んできました。これまで様々な物流ベンダー様とお話をさせて頂く機会がありましたが、RENATUS ROBOTICSの皆様は、アルゴリズムとロボティクスの両側面において非常に高い志と技術を兼ね備えています。ハード/ソフトそれぞれの分野に長けたメンバー各個人が、組織としてゴールを目指して連携しながらしっかり機能している、非常に魅力的なチームだと思います。今後の活躍に期待したいです。

鈴木雅哉氏

●今回の調達資金の主要な使途
①開発者採用
②自動倉庫のロボット・棚等の大量製造に向けた部材調達
自動倉庫システムの実現に必要なロボットや高速昇降リフト、配車アルゴリズム等の開発が順調に進んでおり、「RENATUS」の製品完成に向けた各コンポーネントの統合や大量製造フェーズへと移行している。
同ラウンドで集めた資金をもとにロボット・棚等の大量製造に向けた部材調達を進め、自動倉庫の立ち上げを行う。