セイノーホールディングス㈱は4月28日、「DELISH KITCHEN」を運営する㈱エブリーと資本業務提携したと発表した。これによりエブリーとセイノーホールディングス傘下のココネット㈱、㈱ベクトルワンとの業務提携をより強固なものとし、ネットスーパープラットフォームの提供範囲拡大とラストワンマイル配送における連携強化を図り、リテールメディア構築を一層加速させていくとしている。

セイノーHDは、社会インフラとしての環境・産業・生活への貢献、効率化、質の向上につながるオープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P.※)の構築を進めており、特にラストワンマイル領域では買い物弱者対策等の社会課題解決を積極的に推進している。

エブリーは2015年からレシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」の運営をはじめ、2018年からは店頭サイネージを中心としたリテールソリューションの提供を開始。2022年から「リテールメディア構想」を掲げ、同年5月には、セイノーホールディングスのグループ会社であるココネットおよびベクトルワンと業務提携した。これにより、店外の購買手段を提供するネットスーパーの開発・導入、購買前後での顧客接点を創出することでCRMを強化できる小売アプリの開発・導入を推進している。

●提携内容
今回、包括的なリテールメディア構築を目的に、両社はさらに協業体制を深化させるとしている。

ラストワンマイル領域における社会課題解決を進めるセイノーホールディングスは、リテールメディアを推進するエブリーとより長期的な連携を目指して資本業務提携し、グループ会社のココネット、ベクトルワンとの業務提携をより強固にしていくほか、ベクトルワンが保有するネットスーパーの受注システムとピックパック支援システムについては、マーケティング・CRM機能を強化することを目的としてエブリーに譲渡することで、ニーズが高まるラストワンマイルDXソリューションにリソースの最適化を図る。

これにより、エブリーはオンライン購買における消費者接点となるネットスーパー機能を強化。利用者数3,500万人を超える「DELISH KITCHEN」のアプリ開発・運営ノウハウを活用し、コンシューマ向けのUI/UXの最適化を図るほか、WEBのみでの提供形態が多いネットスーパーにおいて、集客手段拡大・使いやすさの向上等を踏まえたアプリリリースへのニーズも顕在化しており、今回の事業譲渡によりWEB・アプリ両面でのシステム開発・改善スピードを向上させることで、シェア拡大を目指すとしている。

提携による提供領域の変更

●ネットスーパーシステム・アプリの導入事例
両社が提供する小売アプリのプラットフォームを活用し、沖縄県を中心にスーパーマーケットを展開するリウボウストアの「りうぼうネットスーパー」アプリが2023年3月1日から提供を開始しているほか、今後は複数社での導入も予定されている。

「りうぼうネットスーパー」アプリ

※オープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P.)
社内外、業種の違い等を問わず連携した(オープン)、誰もが使える(パブリック)、物流プラットフォームを構築し、プラットフォーム利用者それぞれの効率化や価値向上、さらには社会インフラとして産業・環境・生活への貢献を実現する構想。