ロジスティード㈱は4月25日、同社グループの医薬品物流サービスにGMP(※1)に対応した文書記録管理システムを新たに導入したと発表した。
医薬品の製造工程だけでなく流通過程においても、品質低下のリスクを防ぎ患者の安全を確保するためデータインテグリティ(※2)への対応が求められている。同社では、自主基準であるGDP(医薬品適正流通基準)が将来的に厚生労働省により省令化されることも視野に入れ、製薬メーカー等で実績のある㈱日立産業制御ソリューションズの文書管理システム「HITQUAA(※3)」を導入した。同社としても初めての物流事業者への導入であり、製造領域と同レベルの高品質な文書記録管理を物流領域へも展開する事例となる。
同システムの導入により、従来の紙文書を中心とした管理手法では難しい、厳格な管理と承認作業の効率化という相反する課題を解決し、医薬品流通の安全性と信頼性の強化に貢献する。
●システム導入効果
同システムでは、ユーザー操作のシステム制御、改ざんや誤操作による文書消失の防止、文書の原本性の確保、電子署名機能や電子記録の監査証跡機能等、厚生労働省が定めるER/ES指針(※4)に対応した厳格な管理を実現するほか、DX(デジタルトランスフォーメーション)により紙のコストや保管スペースを削減するとともに、保存管理を効率的に行えるようになり、これまで時間がかかっていた文書の検索や承認作業等のスピード化にもつながるとしている。
●導入時期
2023年4月より
※1:GMP:厚生労働省が定める医薬品の製造管理および品質管理の基準(Good Manufacturing Practice)。
※2:データインテグリティ:データが完全で一貫性があり、正確であることを保証すること。
※3:「HITQUAA(ヒットキュア)」は㈱日立産業制御ソリューションズの登録商標。
※4:ER/ES指針:医薬品等の承認や申請等に関する資料および原資料について、電磁的記録及び電子署名を利用する際の必要な要件を厚生労働省が定めたもの。