厚生労働省は12月23日付で、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」を一部改正(令和4年厚生労働省告示第367号)した。同告示は令和6年(2024年)4月1日より適用される。

●改正の趣旨及び概要
自動車運転者の労働時間等の規制については、改善基準告示により拘束時間、休息期間等の基準が設けられ、その遵守を図ってきたが、運輸・郵便業においては過労死等のうち脳・心臓疾患の労災支給決定件数が全業種で最も多い業種である(令和3年度:59件、うち死亡の件数は22件)等、依然として長時間・過重労働が課題になっている。

一方、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法:平成30年法律第71号)では、労働基準法(昭和22年法律第49号)が改正され、新たに時間外労働の上限規制が設けられたところであり、自動車運転業務(タクシー・ハイヤー、トラック、バス)にも令和6年(2024年)4月1日から、時間外労働の上限を原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がある場合でも時間外労働の上限を年960時間とする等の規制が適用されることとなる。また、働き方改革関連法の国会附帯決議(衆議院厚生労働委員会(平成30年5月25日)及び参議院
厚生労働委員会(同年6月28日))において、過労死等の防止の観点から改善基準告示の総拘束時間等の改善を求められていた。

そうした中、今回の改善基準告示は関係労使の代表の合意である令和4年報告に基づき改正を行ったもの。上限規制を踏まえた時間外労働の削減や過労死等の防止といった観点から、労使関係者は新告示を遵守することが強く要請されるとしている。

このうちトラック運転者における改善基準告示の主な改正点は以下の通り。

1年の拘束時間:[改正前年換算]3,516時間 ⇒ [改正後)原則3,300時間、最大3,400時間
1か月の拘束時間:[改正前月換算]原則293時間、最大320時間 ⇒ [改正後]原則284時間、最大310時間
1日の休息時間:[改正前]継続8時間 ⇒ [改正後]継続11時間を基本とし、継続9時間

●トラック運転者向けリーフレット
<現行>トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント
https://www.mhlw.go.jp/content/001028551.pdf

<令和6年4月1日以降>トラック運転者の改正改善基準告示
https://www.mhlw.go.jp/content/001028565.pdf

●労働基準監督署による荷主要請について
道路貨物運送業においては、他の産業に比べて長時間労働の実態にあり、長時間労働抑制に向けた諸対策を一層積極的に進める必要がある一方、道路貨物運送業の長時間労働の要因の中には、取引慣行等の個々の事業主の努力だけでは見直すことが困難なものもあるとしている。

そこで厚生労働省は道路貨物運送業における長時間労働の自主的な改善を困難としている要因の1つである、荷主・元請運送事業者の都合による「長時間の荷待ち」の改善に向けて荷主・元請運送事業者に対する「要請」等の取り組みを令和4年12月23日より開始した。

●荷主向けリーフレット
・STOP!長時間の荷待ち
https://www.mhlw.go.jp/content/001028625.pdf

・荷役作業での労働災害を防止しましょう!
https://www.mhlw.go.jp/content/001028627.pdf

・「交通労働災害防止のためのガイドライン」のポイント
https://www.mhlw.go.jp/content/001028629.pdf