ウエルシアホールディングス㈱は10月25日、同社子会社のウエルシア薬局㈱が㈱ツルハホールディングスの子会社である㈱ツルハと同日より青森県下北エリアで共同配送を開始すると発表した。

今回の共同配送は、経済産業省の令和4年度「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業(※1)」に対応するもので、ウエルシアグループ6店舗(㈱丸大サクラヰ薬局が運営する「ハッピー・ドラッグ」) とツルハグループ5店舗を対象にスタートさせ、今後5か月にわたり実検証・効果測定を進めていくとしている。

青森県下北エリアでは、両社の他の営業エリアと比較して店舗密度が低く配送トラックの積載率が低いことが両社の課題だったが、両社の荷物を積んだ配送車両が互いの物流センターを経由することにより配送効率を高め、両社の物流コストを削減するほか、CO2排出量も削減し環境負荷低減に貢献していくとしている。

●共同配送の運用スキーム
ウエルシアグループ店舗の荷物を積んだ配送車両がツルハの物流センターに立ち寄り、青森県下北エリアの店舗に共同配送を行う。共同配送の運用にあたり、情報連携の基盤として㈱日立製作所が提供するLumada(※3)ソリューション「Hitachi Digital Solution for Logistics/配送情報シェアリングプラットフォーム(SISP、※2)」を活用。同プラットフォーム上では、荷量や納品予定、配送トレース等の様々な物流情報をデジタル化し、クラウド上でシームレスに連携させることで企業の垣根を越えて共有することができる。これにより配送車両の最適運用を実現し、輸送効率の向上やCO2排出量の削減を図るもの。

●共同配送の効果
ウエルシアグループおよびツルハグループの青森県下北エリア店舗における共同配送による実検証・効果測定で配送車両25%削減、CO2排出量13.6%削減を目指すとしている。

※1:令和4年度「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業費補助金(内航船の革新的運航効率化実証事業)」に係る補助事業者の公募について
経済産業省が公募する、サプライチェーン全体の物流効率化・省エネ化の達成を実証することを目的とした補助事業
https://www.enecho.meti.go.jp/appli/public_offer/2021/data/20220318_001_04.pdf

※2:Hitachi Digital Solution for Logistics/配送情報シェアリングプラットフォーム(SISP:Shipping Information Sharing-Platform)
荷主や運送会社など、企業間の輸配送に関わる情報をクラウド上で連携し、事務作業の省力化や納品状況の可視化、共同便による運行効率化などを可能とするサービスプラットフォーム。
https://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/solution/delivery_sharing/index.html

※3:Lumada(ルマーダ)
顧客のデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。
https://www.hitachi.co.jp/products/it/lumada/index.html