(一社)日本物流団体連合会は10月20日、東京都千代田区の学士会館で、第21回「物流連懇談会」を開催した。

同懇談会は、物流業界の幅広い会員の参加を得て、会員への情報提供、会員相互の情報交換・交流のために行われている。コロナ禍が継続する昨今だが、新型コロナ感染症対策を講じた上で対面で開催した。

今回は、㈱ニチレイロジグループ本社 代表取締役社長の梅澤一彦氏による「未来へ続く、低温物流」と題する講演が行われ、会員企業の代表者や幹部等68名が参加した。

冒頭、池田物流連会長が挨拶した後、講演会が開始。講演では、会社概要の説明の後、単身世帯の増加や小世帯化の加速により冷凍食品需要が増加する一方で、日本の総人口減少といった環境変化も予想されることを踏まえ、低温物流事業の持続的成長に資する取り組み事例を中心に講演された。

ニチレイロジグループでは、コールドチェーンの川上から川下まで幅広く事業展開し、これまで蓄積してきたノウハウを活用して様々な取り組みを行っている。具体的には農業生産地で農作物への付加価値サービスとして急速凍結や流通加工他の提供により農産物の安定供給・フードロス等の社会課題の解決を目指す取り組み、低温施設に関するエンジニアリング全般をトータルサポートすることにより社外の低温施設管理の全体最適を顧客価値として提供する取り組み、欧州でも9か国47か所に拠点を擁し、川上領域から川下領域まで現地に根付いた事業展開により食品の低温物流ネットワークを構築し、欧州の食の流通への貢献を目指す取り組み等が紹介された。

最後に、物流業界のマイナスイメージを払拭するべく組織風土の変革、組織内におけるイノベーションを推進し、物流を花形職種へと変えていく必要性を強調された。

講演後には、最近の欧州地域の情勢を受けエネルギーコスト増、その他による欧州コールドチェ―ンビジネスへの影響、欧州以外の海外へのコールドチェーン展開の見通し等についての質問に対して梅澤社長から詳細かつ丁寧な回答をなされ、盛況のうちに懇談会を終えた。

池田会長の挨拶
講演する梅澤社長
懇談風景
講演会風景