センコーグループホールディングス㈱とTelexistence㈱(TX)は10月21日、TXとセンコー㈱がTX製ロボットソリューションの導入に向けた実証実験をセンコーの物流施設で実施した。

センコーが物流業務を受託する西関東ロジスティクスセンターでTX製ロボットソリューションの実験を行う様子(2022年10月20日撮影)

●ロボット動画
https://youtu.be/FvfFnT30x8k

今回の実証実験では、TXの独自AIシステムによる自動制御と人による遠隔操作のハイブリッド制御ロボット技術を核としたTX製ロボットソリューションの特徴である、マルチタスク性とマルチロケーション性に関する検証を行った。なお、マルチタスク性とマルチロケーション性を兼ね備えたロボットソリューションが確立されることは、大型自動化設備の採用が難しいとされる既存物流施設や中規模物流施設への導入を可能とし、人件費高騰や慢性的な人手不足が深刻化する物流業界の課題解決につながるとしている。

●主な検証事項
(1)専用MH(マテリアルハンドリング)機器なしに、複数種類の手荷役を担えるか(マルチタスク性)
 ・パレットからコンベヤへの投入作業を担えるか
 ・パレットからカートラックへの積み付け作業を担えるか

(2)事前ティーチングなしに、複数の作業場所で稼働できるか(マルチロケーション性)
 ・周辺環境の情報を事前に登録することなく、作業ごとに異なる場所で稼働できるか

●主な技術的特徴
・複数種類の手荷役を異なる作業場所で行うために必要となる周辺環境情報の登録を、遠隔操作オペレーターがリアルタイムかつ簡易に実行するための独自アプリケーションを開発
・対象物や把持点の認識、動作計画生成等、コンベヤ投入およびカートラック積み付けに係る一連の動作を自動制御するための独自AIシステムを開発
・把持面にミシン目のあるケースや強度の弱い素材が使われたケースにも対応した独自ロボットハンドを開発

TXは今後、混載パレットのコンベヤ投入など複雑な手荷役への対応や動作速度の向上等を行い、2023年にはセンコーの物流施設で実務にTX製ロボットソリューションを組み込んだ試験運用の実施を予定している。

センコーは2014年に新設の物流拠点にデパレタイズアームロボットを導入し、以降もAGVなど省人化・省力化機器の導入を積極的に進めてきた。今回の実験では、既存の物流施設でロボットを複数の作業場所に移動させて、人に代わって様々な手荷役作業を環境に応じて的確に業務遂行できるのかを検証した。今後も先進技術の導入を通じて、作業者の負担軽減や作業時間短縮によるワークライフバランスを図り、人手不足等の物流現場の課題解決につなげ、顧客の期待に応える物流サービスを提供できるよう取り組みを続けていくとしている。

●センコーおよびTXによる実証実験概要
実施日:2022年10月21日
場所:センコー㈱ 西関東ロジスティクスセンター