㈱椿本チエインは9月1日、中小規模製造業向けに工場の生産性向上や自動化を実現するソリューションを提供する「DXソリューション事業」へ本格参入すると発表した。

同社京田辺工場(京都府)では、2002年の工場新設以降、約2万種のチェーンを取り扱う変種変量生産の生産革新活動に取り組み、成果をあげてきた。同社が持つデジタル技術を駆使し、工場内の機械設備の稼働状態の見える化やデータ分析等を実現。モノづくり現場の改善(DX)に対する技術・ノウハウとして長年にわたり蓄積してきた。この現場起点のDXソリューションを「FabriKonect(ファブリコネクト)」として提供することにより、顧客のモノづくり現場の生産性向上に貢献することを目指している。

また、以前からパッケージソフトウエア(SCADA)事業を展開しており、工場・インフラ監視市場で26年間もの実績がある。「FabriKonect(ファブリコネクト)」は、そのソフトウエア資産やシステム構築のノウハウを基に、自社のモノづくり現場で培ったデータ連携・現場分析技術を反映。将来の自動化・無人化工場に向けたDXワンストップソリューションである。

●椿本チエインDXソリューション事業の特長
(1) 現場の実態をデータ化
様々なデータ取得手段を駆使して、機械設備の情報だけでなく、人手作業にかかる時間もデータ化できる。

(2) 全体最適を提案
トータルソリューションとして提供することにより、部分最適ではなく、全体最適による生産性向上を支援する。

(3) 成果を徹底追及
顧客が満足する成果が出るまで、データ分析や仮説検証を繰り返す。成果が出た後も、さらなる改善に向けた提案を続ける。

●製造業DXソリューション「FabriKonect」の詳細
https://www.tsubakimoto.jp/other-products/fabrikonect/

●産学連携プロジェクトについて
同社京田辺工場では、国立大学法人神戸大学・システム情報学研究科の藤井信忠准教授と「チェーン製造における製造工程の可視化とスケジュール最適化の検討」を目的とした産学連携プロジェクトを、2022年5月より神戸大学産官学連携本部(本部長:河端俊典氏)の協力により開始している。京田辺工場では、顧客の納期満足度を高めるため、ボトルネックの排除、変動する生産に対し、整流・同期生産の実施など様々な取り組みを行い、一定の成果をあげてきた。一方、2021年度からスタートした「中期経営計画2025」では、モノづくりDX改革を成長戦略の1つに掲げており、本共同研究を通じて製造工程の見える化とスケジュール最適化に取り組むことで、さらなる顧客満足度向上と自動化による収益力の向上を目指す。

●神戸大学との産学連携プロジェクトの概要
マスカスタマイゼーション実現のための生産計画更新手法に関する研究実績のある神戸大学・藤井信忠准教授との共同研究により、過去の生産データに基づいたデータ分析から生産工程の可視化を行うほか、生産の整流、同期化の仕組みを確立しオーダーに対する生産スケジュール最適化を目指す。
(期間:2022年5月26日~2025年3月31日)
http://www.innov.kobe-u.ac.jp/sangaku/downloads/news/20220901tsubakimotochain