三井倉庫ホールディングス㈱とP・J・D ネットワーク㈱は7月20日、医療用医薬品の物流における戦略的パートナーシップの協定に合意した。

2018年12月28日付で、厚生労働省より「医薬品の適正流通(GDP※1)ガイドライン」が発出され、製造工程における品質管理等を定めたGMPに加え、医薬品の流通過程における品質管理や流通経路の管理に関わる業務の画一性を推進することが必要とされている。

こうした背景のもと、P・J・D ネットワークの持つ、輸送時の温度や流通経路等に対するGDP準拠の管理体制および全国を網羅した医薬品専用の共同輸配送ネットワークと、三井倉庫HDが東西に展開するBCPや環境負荷低減にも資する高機能の専用施設および製造業許可のもと GMPに準拠して提供する高品質なオペレーションを戦略的に組み合わせることで、
今後ますます厳密な品質管理が求められる医療分野の様々な領域に対して高度な管理体制を継続的に整備し、取引先の事業拡大に貢献していく。

●今回のパートナーシップにおける主な取り組み
・医薬品の製造・流通過程で発生する「保管」と「輸送」に対して両社が有するそれぞれの強みを活かし協力すること
・医薬品のサプライチェーン全体に対する効率的かつ高品質で安心安全な物流サービスを構築すること
・戦略的パートナーシップを拡大していくことで、GXP(※2)準拠の医薬品物流の標準化を推進すること
・最適なサプライチェーンマネジメントの追求、およびESGやDX分野(※3)においても、積極的に協業を推進すること

※1:医薬品の市場出荷から、医薬品販売業、医療機関・薬局に渡るまでの流通経路の管理が保証され、医薬品の完全性が保持されること、さらには偽造医薬品が正規流通経路へ流入することを防止する手法。

※2:医薬品の研究開発・製造・管理・保管・流通段階および製造販売後の安全管理等、製品の品質、有効性及び安全性を確保することを目的に策定されたGLP、GCP、GMP、GQP、GDP、GVP、GPSP等の「適性基準」を指すガイドライン・規制の略称。

※3:ESG経営が重視される中、特に物流分野における環境(Environment)負荷の低減に資する施策は必要不可欠。三井倉庫グループが提供する環境・労働力・災害にまつわるリスクに対応したパッケージサービス「SustainaLink(サステナリンク)」の提供メニューを活用し、医薬品物流における CO2 排出量の見える化を通じた排出量削減に向けた取り組みを推進している。サプライチェーンデータの活用による紙データのデジタル化やデータベース化を通じたDXも推進している。