㈱ヤマダホールディングスは5月26日、グループ企業の㈱シー・アイ・シーで使用済み家電のリユース製品の増産体制構築を目的として、5月20日にヤマダ東日本リユースセンター群馬工場(群馬県藤岡市)を増設したと発表した。
同日の落成式の後、ヤマダホールディングスのSDGs への今後の取り組み方針に関する説明会および内覧会が行われた。
ヤマダ東日本リユースセンター群馬工場の新工場は、敷地面積4,500坪を誇り、在庫保管能力の大幅増加もさることながら、リユース製品の生産台数は従来の7万台から2022年度は年間18万6,000台へ拡大、そして年間30万台の体制となり、リユース製品を増産し、需要拡大に対応する。
●落成式
落成式には、44名の来賓客が参列し、テープカットの後、ヤマダホールディングスの山田昇会長、㈱ヤマダ環境資源開発ホールディングスの桑野光正社長、シー・アイ・シー の太田伸一社長の代表者挨拶の後、公明党の太田昭宏常任顧問、福重隆浩衆議院議員が祝辞を述べた。
●ヤマダホールディングス代表取締役会長 兼 社長 CEO 山田 昇氏の挨拶
ヤマダホールディングスグループの環境関連事業の取り組みは、廃棄物運送からはじまりました。これから、このリユース工場とあわせて、小型家電のリサイクルやヤマダエネルギープラントの2年後の稼働、そして最終処分場を含めて自己完結型の事業モデルの完成を目指したビジネスを進めています。
これは、世界的にも初めての取り組み、経営ではなかろうかと思います。そういう中で落成式を迎えました。私たちはここを敢えて工場と呼んでいます。家電製品をリユースして新製品に生まれ変わる場としての位置づけです。一般的に大型家電製品の寿命は10年といわれています。そしてメーカーの部品保管が平均7年です。このような周期で新製品が生まれる中で、私たちはリユースとして、再生産の形で販売させていただいており最長2年の保証を付けています。では7年たって部品が無かったらどうするか。
これはある基準を作って、同等商品の部品を代替えで対応してリユース完成品として提供しています。ヤマダ自身が再生しているから信頼があり、90店の全国展開、各所で好評であります。資源の無い日本、いかに物を大切に利用するか。このニーズが高く、それに応える経営を担っているのではないかと、この事業に誇りをもっています。カーボンニュートラル事業を通じて如何に社会貢献するか、これが求められています。家電製品は暮らしの中で必需商品であり、絶えることはございません。当社グループは3年後に売上高2兆円を目指すなか、この自己完結型の環境関連事業の方針と位置づけをどうぞご理解いただきたいと思っております。
●SDGs説明会
メディア各社より32名が参加いただいた場では、ヤマダホールディングス経営企画室長兼サステナビリティ推進室長の清村氏より、グループ内で実現するカーボンニュートラル事業を通じた社会貢献への取り組みについて説明した。
◎SDGs説明会 取り組み説明
ヤマダ電機(現ヤマダホールディングス)創業者である山田会長は家電量販業界での店舗の全国ネットワーク構築、売上高・利益高の業界トップを遂げる過程において、“家電も資源”そして“環境面や資源保護に対する売る責任を果たす”、この発想から自社グループ内で完結する資源循環事業、まだ使える家電製品の再販事業構想、着手に至った。25年前の1997年6月27日に、家電製品リサイクルを手掛けるシー・アイ・シーを設立したのち、家電製品のリユース事業に本格参入。シー・アイ・シーではここ藤岡に第1工場、第2工場や滋賀工場、そして新工場の設立・稼働にあたり、順調に家電製品リユース事業拡大への取り組みを推進している。取り扱い製品も、冷蔵庫・洗濯機・テレビ・小型家電、その後エアコンと幅広に拡大し、大型家電を含めた家電製品リユースという新たな市場を創出する規模まで成長している。
この取り組みの期間、リユース生産における人材育成、ヤマダデンキ店舗網を活かした製品調達や配送物流、そして買い取り、下取りスキーム等の構築を行ってきた。その過程を踏まえ、ヤマダデンキでは2015年のアウトレットリユース第1号店の開設から約6年半が経過する今、アウトレットリユース店の全国展開を進めている。
●ヤマダ東日本リユースセンター群馬工場 新工場
新工場では主に大型家電(冷蔵庫、洗濯機)を扱っている。従来のエアコンやテレビ、小型家電に加え、冷蔵庫や洗濯機等、再製品化するまでの工程が長い大型家電のリユース製品の増産・保管が可能となる。顧客から買取した家電製品を分解・洗浄・厳密な機能チェックを経て再製品化を行っている。再製品化されたリユース製品は、ヤマダホールディングス独自の環境マーク“YAMADA GREEN”認定商品として、全国に展開するヤマダデンキのアウトレット業態店舗で販売する。
同社のアウトレット業態店舗は、近年のエシカル消費の高まりを受け、全国展開を視野に店舗を拡大している。再販売時には、最長2年間の保証を付帯する等、顧客が安心して利用できるサービスを提供している。リユースできない使用済み家電は、金属やプラスチックとしてグループ企業内のリサイクル工場で再資源化を行っているほか、2022年には、小型家電リサイクル処理能力100万台処理体制に向けて新たなリサイクル工場の増設を計画している。