日本オラクル(株)は3月10日、調剤薬局併設型ドラッグストアをチェーン展開するウエルシア薬局(株)が、全国1,673店舗(2021年11月末日時点)で利用する大規模調剤チェーン薬局向け総合経営支援システムの基盤に「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を採用し、稼働を開始したと発表した。

ウエルシア薬局は、地域のお客様の豊かな社会生活と健康な暮らしをサポートできるドラッグストアの実現のため、調剤併設、カウンセリング、深夜営業および介護を軸としたウエルシアモデルによるドラッグストアを全国で展開。顧客の利便性向上および地域医療の発展に貢献するため、オンライン服薬指導サービスの全店導入のほか、オンライン資格確認の全店運用、2023年1月の電子処方箋応需を見据えた環境整備等、調剤分野におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)を積極的に推進している。

ウエルシア薬局は、国内1,673店舗で調剤薬局併設ドラッグストアを展開しており、毎月約140万枚の処方せんの受付を行っている。これらの店舗や本部従業員の調剤薬局関連業務を支える総合経営支援システムのデータベース基盤に「Oracle Database」を利用。DXの積極的な推進や急速な事業および店舗拡大に伴い、新規サービス展開や新規店舗での迅速なシステム導入を可能にするため、より容易かつ俊敏なシステム基盤拡張とリソースの増減が求められていた。そこで同社では、システム基盤のパブリック・クラウドへの移行を検討し、長年利用してきた「Oracle Database」との親和性、価格性能を評価し、「OCI」で提供される「Oracle Database Cloud Service」を選定した。

ウエルシア薬局では、「Oracle Database Cloud Service」への移行により、ビジネスの変化や成長に柔軟に対応可能なシステム基盤を実現。課題となっていた新規店舗への迅速なシステム展開や、リソースの増減もシステムを無停止で可能となり、拡張性向上とコスト最適化を図っている。運用面では、これまで年次の不要データの削除に約1日半システムを停止していたところ、クラウド移行後はシステムを停止せずに行うことができる等、保守性を向上しているほか、「OCI」の提供する高い性能により、夜間バッチに要する時間がオンプレミス環境と比較すると約2時間、短縮されるなどの効果をもたらしている。

ウエルシア薬局では、現在オンプレミス環境で稼働している業務系システムやDR環境のクラウド移行等、さらなる調剤DXの推進およびビジネス拡大に向けて「OCI」の利用拡大を検討している。