ヤマトホールディングス㈱傘下の米国ヤマト運輸㈱(米国ヤマト)は12月12日より、米国とメキシコとの国境における通関手続きを必要としない「空港間保税転送」を活用した越境トラック輸送サービスの提供を開始しした。

通関手続きのリードタイムが短縮することにより、迅速で定時性の高い越境輸送を実現し、顧客の多様なニーズに応じた最適なサプライチェーン構築を支援する。

メキシコは、米中貿易摩擦や米国における物価や人件費の高騰等の影響により、米国市場のニアショアリング(※1)先として、日系企業をはじめ世界各国の自動車関連企業の進出が進んでいる。2023年の米国―メキシコ間の貿易総額は約8,000億ドル(※2)に上り、米国の国別輸入額はメキシコが首位となっている。一方、複雑な国境通関手続きに加え、貿易量増加に伴う通関手続きの混雑による輸送の遅れ等が課題となっている。

米国ヤマトは、これまで米国―メキシコ間における越境トラック輸送サービスを提供してきたが、今回より迅速で定時性の高いサプライチェーンを構築するため、米国とメキシコの主要空港間の保税転送を活用した越境トラック輸送サービスを開始する。通関手続きは到着地の空港で行うため、国境での通関対応が不要になり、より短いリードタイムと定時性の高い輸送を実現する。

※1:企業が本拠地や最終消費地から地理的に近い国や地域に事業を移転したりアウトソーシングしたりすること

※2:JETRO:2023年米国の貿易赤字は7,798億ドル、2009年に次ぐ縮小幅(2024年4月26日)
URL:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2024/1643b446b08ecf10.html

●空港間保税転送の概要
荷物の通関手続きを、混雑が深刻なアメリカ―メキシコ国境ではなく、到着地の空港で行うことで、より短いリードタイムと定時性の高い越境トラック輸送サービスを実現する。

(例)米国・テキサス州からメキシコ・モンテレイまでの混載輸送の流れ

①提供開始日:2024年12月12日(木)
②提供区間:米国主要空港(ダラス、シカゴ、アトランタ)―メキシコ主要空港(モンテレイ、グアダラハラ、メキシコ市)間
※アジア圏発の貨物はロサンゼルス空港の利用も可能。

●越境トラック輸送サービスの特長
荷物量やスケジュールに合わせたフレキシブルな輸送が可能で、顧客の在庫の圧縮や保管スペースの削減を実現する。
・各ルート週3~5回の高頻度運行
・コンテナ単位でのチャーター輸送またはパレット単位での混載輸送に対応
・顧客指定の集荷先から空港まで、空港から届け先までの輸送もワンストップで手配が可能