三菱ふそうトラック・バス㈱(三菱ふそう)は6月6日、台湾で電気小型トラック「eCanter」の新型モデルを発売した。台湾では今回が「eCanter」の初投入となり、2017年のゼロエミッション車両「eCanter」の発売以降、台湾は6番目の海外展開市場となる。

台北市を走る「eCanter」

三菱ふそうは、台湾における販売代理店および合弁会社のダイムラー・トラック・アジア台湾(DTAT)との協業により、60年にわたり強固な地盤を築いてきた台湾市場において、新型「eCanter」の販売を通じて台湾における輸送手段の多様化を進める。

三菱ふそうの海外販売・カスタマーサービス本部長であるアンドレアス・ドイシュレ氏は、「新型eCanterの台湾での発売は、商用車メーカーとしての当社の革新に向けた持続的な取り組みの成果を示しています。ダイムラートラックの歴史は、常に 『初めて』であり続けてきました。私達は世界初のトラックを発表し、125年以上にわたりグローバルのネットワークと多様な製品ラインナップによって世界を動かしてきました」とコメントを発表した。

●台湾の「2050年ゼロエミッション計画及び策略」
台湾での「eCanter」の販売開始は、台湾が2050年までのネットゼロエミッションのロードマップを策定した時期と同じタイミングとなる。「eCanter」を製品ラインナップに追加することで、MFTBCは台湾で企業や物流事業者がゼロエミッション計画を達成するための持続可能なソリューションを提供する。

台湾で販売する「eCanter」は、車両総重量(GVW)5トンモデルおよび8.55トンモデルを展開し、様々な輸送ニーズに対応するため、ホイールベースやボディ、ePTO(動力取り出し装置)の多様なオプションを揃えている。「eCanter」は ディーゼル車からEVトラックへの移行をサポートするだけでなく、ドライバーに快適な運転環境を提供する。台湾で販売する「eCanter」は、衝突被害軽減ブレーキ「アクティブ・ブレーキ・アシスト5 (Active Brake Assist 5:ABA5)」、車両接近通報装置「Acoustic Vehicle Alerting System(AVAS)」、車線逸脱警報装置「Lane Departure Warning System(LDWS)」、車両安定性制御装置「Electronic Stability Program(ESPR)」といった先進安全システムを標準装備し、環境に配慮した輸送に対応している。

●三菱ふそうトラック・バス㈱について
MFTBCは、ダイムラートラック社が89.29%、三菱グループ各社が10.71%の株式を保有し、川崎市に本社を置く商用車メーカー。90年以上の歴史を持つFUSOブランドの、小型、中型、大型トラックやバス、産業用エンジンを含む製品を世界約170の市場向けに開発・製造・販売している。2017年、初の量産型電気小型トラック「eCanter」を市場に導入し、2019年には、日本の商用車市場のベンチマークとなる、SAEレベル2相当の高度運転支援技術を搭載した大型トラック「Super Great」を商用車メーカーとして初めて日本に導入した。MFTBCは、ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ社(DICV)と共にダイムラー・トラック・アジアの一員として、製品開発、部品調達、生産等の分野で協力し、顧客に最高の価値を提供している。

●電気小型トラック「eCanter」について
今日の都市が抱える騒音や排出ガス、CO2低減の課題を解決する答えとして、MFTBCが2017年に発売した国内初の量産型電気小型トラック。電動で駆動することで排出ガスが一切出ない「eCanter」は、従来のディーゼル車と比較して騒音や振動も少ないため、都市内輸送のほか深夜早朝での輸送に適している。2017年の初代モデル発売後、2020年8月に安全装備を拡充した改良モデルを発売し、これまで日本をはじめ、欧州、米国、オーストラリア及びニュージーランドの顧客の下で活用されている。さらに2023年3月にフルモデルチェンジした新型モデルを発売し、多様なビジネスニーズへの対応が可能になった。新型モデルは、さらに多くの海外市場での展開を予定している。

●DTAT社について
MFTBCが51%、台湾の商用車販売大手・順益貿易股分有限公司(Shung Ye Trading Co., Ltd.)が49%を出資して2016年8月に設立した合弁会社。2017年に操業を開始したDTAT社は台湾市場におけるふそうブランドの総代理店であり、小型・中型・大型トラック、小型バス等、ふそう製品全般の独占輸入・卸売事業を行っている。ふそう車両はノックダウン(KD)キットと完成車の両方で台湾に供給されている。