(一社)日本パレット協会(JPA)は9 月20日、APSF(アジアパレットシステム連盟)加盟各国がまとめたパレット(PL)生産状況に基づき、アジア各国のパレット生産量と標準化比較資料を作成したと発表した。

APSFでは、昨年9月の総会以降、日中韓が中心となり各国のパレット素材別・サイズ別生産数量の把握とパレット化推進の中期計画「ロードマップ2030」の策定を進めていた。その結果、8月30日に韓国・ソウル市にて開催されたAPSF総会では、加盟10か国中8か国(日・中・韓、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム。インドとミャンマーは欠席)から約110名が参加し、各国の現場と2030年に向けた中期計画が発表された。

各国の調査、報告内容は必ずしも同じレベルでの集約でなく、団体レベルでの概算を含む内容だが、パレット普及度と課題を把握するには有効な資料として、以下の通り公表した。

表に示す通り、資料のないインド、パレット生産のないミャンマーを除く8か国合算では、昨年度でパレットは5憶2,900万枚が生産され、日中韓でその87%を占め、生産総数では中国が圧倒的に多い。ただし、人口比では韓国が1人当たり年間0.63枚と加盟国中最多で、続いて2位が日本(0.48枚)となる(国内貨物量は人口との関連が強いとの理解)。

東南アジア各国は人口比での生産枚数に国別格差が大きく、マレーシアでは1人当たり0.35枚、タイが0.23枚なのに対して、インドネシア、フィリピン、ベトナム等では9人から50人に1枚の生産であり、物流でのパレット利用の拡大余地が大きいとみてとれる。

APSFでは、2007年以降、アジアでの標準パレットを1,100×1,100㎜、1,200×1,000 ㎜に定めているが、その効果もありパレット生産数の少ない東南アジア各国でも11型と12型の標準パレットの比率は、日本の32%、中国の52%と比較しても、タイ97%、ベトナム72%、フィリピン60%、インドネシア58%、マレーシア56%と高いことが分かる。

JPAによると、数字は推定であり、初めてまとめた国も多いことを割り引いたとしても、パレットの本格普及前に国を挙げてパレット標準化を進めている状況とみている。

アジア各国のパレット生産量と標準化比較