NIPPON EXPRESSホールディングス㈱は5月12日、欧州持株子会社NIPPON EXPRESS EUROPE GMBHの完全子会社である特別目的会社を通じて、Cargo-Partner Group Holding AG並びにその子会社のMulti Transport und Logistik Holding AG、Safer Overseas Transport Holding GmbH、Cargo-Partner GND GmbHおよびCARGO-PARTNER US HOLDINGS INC.の5社(売主)から、中東欧を主たる拠点として全世界でロジスティクスサービスを展開する複数の子会社(対象会社またはcargo-partner)の株式を取得する本件取引について売主側と合意し、2023年5月12日に株式譲渡契約を締結することを取締役会で決議したと発表した。

cargo-partnerは、オーストリア・ウィーンに本拠地を置き、欧州における産業集積地として注目が高まる中東欧地域に強固な物流事業基盤を有するほか、「NXグループ経営計画2023―非連続な成長“Dynamic Growth”―」の中でもコア事業の成長戦略となる自動車、電機・電子、医薬品産業における海運・航空フォワーディング事業を中心に欧州、アジア、北米で事業展開している。

NIPPON EXPRESSホールディングスは、cargo-partnerより提供された情報と幾度の協議を重ねてきた結果、対象会社をNXグループの一員として迎え入れることが、両社の持つ優位性を生かし、相乗効果によるさらなるフォワーディング事業の強化、営業活動の活発化、グローバル市場における存在感を高めることができると結論。対象会社が加わることによる新たな成長分野として、具体的には主に以下4点を考え、本件取引の実施を決定した。

・欧州域内の生産拠点として今後の成長が大いに見込まれる中東欧地域のロジスティクス基盤を補完することによるNXグループのネットワークの拡大と欧州地域の提供サービス拡充
・海運・航空貨物取扱量拡大による、グローバル市場における競争力の強化
・グローバル展開する顧客の様々な要望に応え、特にアジアと欧州を結ぶロジスティクス需要への対応力とグローバルアカウント体制の増強
・互いに異なる顧客基盤と国・地域の強みを持つことから、相互補完によるロジスティクス事業のシナジー創出と拡大・発展

●本件取引の概要
NIPPON EXPRESSホールディングスは、同社の欧州持株子会社 NIPPON EXPRESS EUROPE GMBHの完全子会社である特別目的会社を通じて、現金を対価として売主から対象会社63社の株式を取得する。なお、対象会社63社のうち少なくとも1社は本件取引後も少数株主が残る予定。

●取得価額対象会社の普通株式
8億4,500万ユーロ(1,267億5,000万円※)(本件取引完了時の対象会社の純有利子負債や運転資本等に係る調整を行い、実際の取得価額を確定)(注)

●異動後の所有株式数
対象会社の全株式(ただし、本件取引前に少数株主が存在する7社のうち、本件取引後に少数株主が残る少なくとも1社の少数株主に係る株式を除く)

(注)取得価額はcargo-partner GmbHを含む対象会社63社すべてに係る合計額を記載している。なお、このほかアーンアウトとして最大5億5,500万ユーロ(832億5,000万円※)が、対象会社の業績が株式譲渡契約において規定された一定の財務指標を達成することを条件として、売主に対して現金で支払われることになる。

※1ユーロ=150円で換算

●日程
(1)取締役会決議日:2023年5月12日
(2)契約締結日:2023年5月12日
(3)本件取引実行日:2023年11月~2024年5月(予定)
なお、本件取引は各国競争法にかかる手続きの完了等、取引実行のための前提条件が満たされることを条件としている。