横浜冷凍㈱は3月6日、ベトナムのロンワン省ベンルック県のフーアンタン工業団地(PAT)に同社100%出資の現地法人設立および冷蔵倉庫の新設を決定したと発表した。

横浜冷凍ベトナム冷蔵倉庫の完成予想図

同社は現在、タイ王国で5拠点で冷蔵倉庫事業を展開し、現地でトップクラスのシェアを有しているが、ベトナムの現地パートナーや地元からの冷蔵倉庫進出要請もあり、アセアン地域におけるさらなる事業拡大を目指すため、経済成長著しいベトナムに冷蔵倉庫を新設する。

起工式は3月14日の予定、約2年後の竣工を目指している。

フーアンタン工業団地はホーチミン市の南西部ロンアン省に位置し、チュンルオン高速道路より約7分、ホーチミン市中心部より約60分、ホーチミン市のコンテナターミナルであるカトライ港(将来は国内航路)より約70分という好立地にある。

ベトナム南西部メコンデルタ地区と、ホーチミン市を繋ぐ物流拠点となっており、2025年にはベンルック-ロンタン間を結ぶ高速道路が開通予定。同高速道路が開通することにより、ベトナム南部最大の国際コンテナターミナルであるカイメップ・チーバイ港へのアクセスが容易となり、さらなる利便性の向上が期待される場所となっている。

フーアンタン工業団地

ベトナムは豊富な水産資源を有し、多くの水産加工食品が国内外向けに生産されている。ベトナム国内の水産加工会社の約80%は南西部のメコンデルタ地区に存在し、今後ベトナム国内での冷凍食品の消費量が増加することが見込まれ、ベトナム国内の冷蔵庫事情は現在でもタイトな状況となっている。

また、同社食品販売事業での3国間貿易におけるアジアと日本を結ぶ要衝として、ベトナムで加工した水産品の保管、販売、流通、また、日本国内で水揚げされた輸出品の中継場所として、冷蔵倉庫事業と食品販売事業とのシナジー効果も期待されている。

同冷蔵倉庫はヨコレイが長年培ったノウハウを取り入れた最新の設備のほかに、ヨコレイグループ初の自動倉庫(自動ラック)を採用、省人化・省力化を図る。冷蔵倉庫の規模は同グループ最大の収容能力約4万5,000トン、収容パレット枚数は約1万8,000枚で、内訳は自動倉庫分パレット1万5,000枚以上、残りがカーゴナビゲーションシステム連動の移動ラック分となっている。

●ベトナム現地法人の概要
社名:日本語:ベトナムヨコレイ(有)
   ベトナム語:CONG TY TNHH VIET NAM YOKOREI
   英語:VIETNAM YOKOREI COMPANY LIMITED
設立:2023年3月(仮)
所在地:ベトナム ロンアン省ベンルック県フーアンタン工業団地内
資本金:3,060億8,500万ベトナムドン(約18憶円)
代表者:代表取締役社長 関 晋也氏
事業内容:冷蔵倉庫業
株主:横浜冷凍㈱(100%出資

●ベトナム冷蔵倉庫の概要
住所:ベトナム ロンアン省ベンルック県フーアンタン工業団地内
構造・規模:鉄骨造平屋建て
敷地面積:4万5,812㎡(1万3,858坪)
延床面積:1万7,125㎡(5,180坪)
建築面積:1万7,125㎡(5,180坪)
収容能力:4万5,317t(約1万8,000パレット)
主な設備
・自動ラック設備(約1万5,000パレット)
・大容量の太陽光発電設備(880kW)
・カーゴナビゲーションシステム&電動式移動ラック(約3,000パレット)
・フードディフェンス対応(入退館・監視カメラシステム)
・省エネ型自然冷媒冷凍機
・陽圧空調システム
工期:2023年3月~2025年1月予定