三菱重工業㈱(三菱重工)ならびに同社グループの三菱重工交通・建設エンジニアリング㈱(MHI-TC)、三菱重工冷熱㈱は1月26日、京都市中央卸売市場の仲卸業者でつくる京都塩干魚卸協同組合向けに、新設の冷凍冷蔵倉庫の設計から施工までを一括受注し、同日竣工した。

同じく三菱重工グループの三菱ロジスネクスト㈱は3月に予定されている同倉庫の稼働開始に合わせ、冷凍冷蔵環境に対応した冷凍仕様の物流機器を納入する。

同倉庫は、グループ会社間の連携によって最適な事業運営設備・製品をトータルパッケージで提供する総合エンジニアリング(※1)により、土木建築から機械設備までをワンストップで手がけたもの。

具体的には、MHI-TCのエンジニアリング・土木建築技術と三菱重工冷熱の冷凍冷蔵技術を組み合わせることにより、土木建築と設備の両面から最適設計を実施し、全体で約1.5か月の工期短縮を実現。また、倉庫内外の温度差を考慮し、結露対策として外壁と内部断熱パネルの間に結露水の排水経路を設置したほか、地盤の凍結対策として土間コンクリート下部に凍上防⽌管を設置した。倉庫の稼働開始後には、三菱ロジスネクスト製の冷凍冷蔵倉庫用フォークリフトが導入され、物流オペレーションの最適化に貢献する。

加えて、プラント建設や建築分野で培った3Dデザインや最適な機器を選定するシミュレーションツール等を活用したFEED(Front End Engineering Design)(※2)により、検討初期段階から顧客に具体的な提案をすることで、着工の早期化にも寄与した。

※1:三菱重工グループの総合エンジニアリングへの取り組みについて
http://www.mhi.co.jp/technology/review/jp/abstractj-59-2-90.html

※2:概念設計や事業可能性調査(FS:Feasibility Study)の後に行われる基本設計のことで、技術的な課題や概算費用等の検討により実施設計以降の変更が少なく済むといったメリットがある。

●ソリューションのプロセス

●シミュレーションイメージ

機器選定シミュレーション
3Dシミュレーション

●ワンストップ(一括施工)による工程短縮イメージ

●京都塩干魚卸協同組合の概要
数の子や鮭・棒だら等の北海産商品、ちりめんじゃこ・煮干等の煎子商品、干カレイ・開アジ等の干魚商品、塩さば・甘鯛等の一汐商品、茹タコ・茹ガニ等の茹品、ちくわ・かまぼこ等の練製品等を取り扱う京都市中央卸売市場の仲卸業者によって1962(昭和37)年に組織された協同組合

●冷凍冷蔵倉庫の概要
建設場所:京都市下京区 京都市中央卸売市場内
建屋構造・規模:鉄骨造地上3階建、建築面積1,368㎡、延床面積3,757㎡
工期:2021年12月着工~2023年1月竣工、3月~稼働予定
冷凍冷蔵倉庫仕様:1階 -8℃、2・3階 -25℃(一部 ±0℃~+10℃)
物流機器仕様:冷凍冷蔵庫仕様ナロータイプリーチ型バッテリーフォークリフト(-35℃クラス)