サントリーロジスティクス㈱と㈱オプティマインドは10月7日、オプティマインドが開発した自動配車システム「Loogia」を、サントリーロジスティクス埼玉支店(埼玉県さいたま市)と同南大阪支店(大阪府堺市)に同月より順次導入すると発表した。
物流業界では担い手不足が続き、限られた車両と人員でいかに配送を組み立てるかが日々の課題となっている。特に配車業務は、車両の積載条件、届け先ごとの受け入れ条件、契約形態といった多数の制約を同時に満たす必要があり、知見を踏まえた複雑な判断が求められる領域と指摘する。サントリーロジスティクスにおいても、日々の受注を車両の積載条件に合わせて分割・再編成する「配車分割」と呼ばれる業務が、長年にわたり熟練担当者の経験知によって支えられてきた。同業務は、重量やパレット数の上限、届け先ごとの制約、出荷元となる倉庫の配置といった条件が複雑に絡み合うため、一般的な自動配車システムでは再現が難しいもの。
両社は、その「配車分割」を含む配車業務そのものをシステム化の対象と定め、取り組みを進めてきた。今回の自動配車システムの導入によって、配車業務における人の作業領域が縮小され、作業効率が改善されると見込んでいる。業務品質面においても、経験知をベースとしたシステムが作業を補助することで、担当者の業務歴に左右されず、会社全体の業務品質の底上げにつながると期待している。また、後任者への引き継ぎが従来と比べて容易となり、持続可能な物流の実現に大きな効果が見込めるものと見ている。

●取り組みの内容①:熟練担当者の判断基準を整理し、「配車分割」業務をシステム化
同プロジェクトでは、配車ルートを最適化するだけでなく、その手前にある「配車分割」業務そのものの再現に取り組んだ。車両ごとの積載上限、届け先単位の制約、同一エリアの出荷元倉庫の扱い等、現場で積み重ねられてきた条件を1つずつ整理し、熟練担当者の思考順序を考慮した上で、経験知の構造化を行いシステムに反映した。これにより、これまで熟練担当者が積み重ねてきた判断基準を、経験の浅い担当者でもたどれる形にし、業務を組織としてより高度な水準で引き継げる状態に近づけた。
●取り組みの内容②:既存基幹システムを活かし、配車計画に必要なデータづくりから仕組み化
自動配車システムは、配車計画の計算そのものよりも、計算に必要なデータを整えることに多大な労力がかかる。同プロジェクトでは、既存の基幹システムとの連携を止めることなく、受注データや各種マスタを配車計画に使える形へ変換する仕組みをどう構築するかが導入のハードルだった。そこで、オプティマインドのデータ連携機能「Loogiaコネクト」を活用し、サントリーロジスティクスの基幹システムから受け取る受注データと各種マスタを取り込み、解釈・検証した上で、配車計画の作成に使えるデータへ変換する仕組みを整えた。
作成した配車結果は、実績となる運送会社・車両・乗務員の情報と共に基幹システムへ戻す。配車計画を作るためのデータをどう用意するかという入口から、既存業務の流れを止めないための出口までを一貫して構築した。
●両社コメント
<サントリーロジスティクス㈱ 取締役 経営企画部長 野原浩敬氏>
オプティマインド社との協業にて、自動配車という新たなステップを踏み出せることを大変嬉しく、また感慨深く思っています。今までの知見やノウハウを属人化せず、事業の継続性をより確実なものとし、サントリーグループ唯一の物流機能会社として、また社会インフラとしての物流を担う企業として、より一層社会に貢献してまいります。
<㈱オプティマインド 代表取締役社長 松下健氏>
サントリーグループの物流を担うサントリーロジスティクス社の物流現場において、配車の自動化・最適化の導入を開始できることを嬉しく、また身が引き締まる思いです。配車分割のように、長年の現場の方々の経験によって支えられてきた業務をシステム化することは容易ではありません。今回、現場に深く入り込ませていただきながら、業務知見を1つひとつ構造化し、システムに実装してまいりました。「現場百遍」の精神のもと、これからも技術の社会実装を進め、持続可能な物流の実現に貢献してまいります。

