三井不動産㈱は10月6日、㈱熊谷組、㈱ゲットワークスと共同で、兵庫県神戸市が2005年9月まで造成用の土砂運搬用として活用していたトンネル(※2)を活用し、日本初(※1)となる地中型データセンターの開発に着手すると発表した。
同事業では、既存トンネルが有する冷涼性(※3)、高い耐震性、外部からの接近が限定されることによる優れた物理的安全性といった特性を活かしながら、事業者の持つ知見や技術を結集し、遊休資産をデータセンターという新たなデジタルインフラに転換することで、急速に拡大するGPU(Graphics Processing Unit)サーバ需要や、重要データを安全に保管・運用するためのインフラ需要の高まりに対応していく。

※1:既存トンネル空間を活用し、外部顧客向けサービス提供を目的として開発される商用データセンター事業としては日本初(2026年9月時点、同社調べ)
※2:同トンネルは、神戸の山と海を総延長14.5kmで結ぶ、世界に誇る規模のベルトコンベヤ用跡トンネル施設を指す。同トンネルは、運転開始から住宅団地や産業団地整備、神戸空港の埋め立て事業等、「山、海へ行く」と謳われた神戸の街作りを支えてきた。今回、同社および熊谷組は、同トンネル貸付(対象は、総延長のうち約3km、面積約1万7,000㎡)に関する条件付き入札において、2026年9月4日に落札者として決定を受けた。
※3:空間の温度が年間を通じて15℃~20℃に保たれていることを確認している。
●データセンターを取り巻く環境変化と新たな選択肢の提供
生成AI技術の急速な普及に伴い、高い計算能力を有するGPUサーバへの需要が世界的に拡大している。一方、日本国内ではデータセンター用地や電力の確保、建設コストの高騰、高発熱なGPUサーバに対応した設備不足等を背景に、インフラ整備が課題となっている。また、企業や自治体においては、重要データの保護や自然災害への対応力強化の観点から、高い物理的安全性とレジリエンスを備えたデータセンターへのニーズも高まっている。
そこで着目したのが、これまで十分に活用されてこなかった地中空間。地中空間が持つ冷涼性、耐震性、物理的安全性といった特性は、AI時代のデータセンターに求められる環境に適していると考え、同事業の着想に至った。また、既存空間を活用することで、建設時の環境負荷の低減や事業化までの期間短縮を図ることが可能と考えている。これらの特性を活かし、データセンターの新たな選択肢を社会に提案していく。
海外では、地中施設、鉱山跡地、旧軍事施設等を活用したデータセンターの整備が進んでおり、高い物理的セキュリティや災害耐性を強みとして様々な事業者による利用が進んでいる。同社は同事業を通じて、日本におけるデータセンターの新たな選択肢として地中空間の活用を推進するほか、持続可能で強靱なデジタルインフラの実現に貢献していく。
●同事業の開発概要 ~運用開始は2027年末を予定~
同事業では、熊谷組やゲットワークスと共同して、地下深部(※4)に位置する既存トンネルにコンテナ型データセンター設備を設置し、将来的には、最大受電容量20MW規模のデータセンターとして運用することを目指している。
初期開発では、2027年末のサービス提供開始を予定している。生成AI時代に求められる最新のGPUサーバに対応するほか、地下水を循環利用する水冷方式を導入する等、既存資源を最大限に活用することで、環境負荷の低減と高効率な運用を実現する。
さらに、地中空間が有する高い耐震性と優れた物理的セキュリティに加えて、ゲットワークスが展開するシェルター型コンテナデータセンター(※2)の技術を活用することで、自然災害や外部リスクへの対応力を高める。企業や自治体等が保有する重要データの保管にも対応した、高いレジリエンスを備えたデジタルインフラの実現を目指す。
画像(2点並列):大規模災害・有事対策に特化したシェルター型 コンテナデータセンター(※5)イメージ ゲットワークスが新潟県湯沢町に設置したコンテナデータセンター
※4:既存トンネルの大部分は、地下約40mより以深に位置している。
※5:ゲットワークスは、大規模災害・有事対策に特化したシェルター型コンテナデータセンターの製品化を完了し、完全国内生産による耐震性・耐衝撃性・EMP対策を実現。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000141706.html
●事業の推進体制[事業者名/区分/役割]
▽三井不動産㈱・㈱熊谷組/事業者/地中空間を活用したデータセンター事業地の開発
▽㈱ゲットワークス/事業者/コンテナ型データセンターの運営
▽パシフィックコンサルタンツ㈱/協力事業者/事業化検討の支援および設計支援
▽㈱熊谷組(予定)/施工者/整備工事

