NIPPON EXPRESSホールディングス㈱(NXHD)のグループ会社である日本通運㈱は4月8日、タイガー魔法瓶㈱、岐阜プラスチック工業㈱と協業し、高性能保冷輸送器材「プロテクトBOXサーマル」を開発したと発表した。同器材は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の輸送に活用される。

●商品概要
従来の冷凍・冷蔵・定温輸送では、温度維持のために蓄冷材や蓄熱材の使用が必須だったが、タイガー魔法瓶、岐阜プラスチック工業の技術を活用することで資材を不要とし、電力使用量の大幅な削減を実現した。
タイガー魔法瓶が開発したステンレス密封真空断熱パネル(TIVIP)は、ステンレスを使用し、パネル内部を真空状態にすることで熱伝導を非常に低く抑えた高性能な断熱材。同断熱パネルに、岐阜プラスチック工業の軽量・高強度素材である樹脂製ハニカムパネル(TECCELL)を複合させ、断熱ユニットパネルを実現した。
日本通運は今回の断熱ユニットパネルをプロテクトBOXに採用することで、貨物自体の温度で庫内温度を維持したまま輸送が可能な「プロテクトBOXサーマル」を開発したほか、輸送単位を「プロテクトBOX」にすることでドライ貨物と保冷貨物の積み合わせ輸送が可能となり、保冷車両が不要となるため、さらなる電力使用量とCO2排出量の削減にもつながるとしている。

「プロテクトBOXサーマル」は大阪・関西万博において、各パビリオンや飲食店等への保冷貨物輸送に活用される。商品としては2026年度の販売を予定しており、会期中も器材の検証を継続して実施する。