三井倉庫ホールディングス㈱(三井倉庫HD)は4月8日、同社グループの三井倉庫㈱が運営する物流センターで化粧品製造業務の品質向上を目的として「AI画像検査機」を導入し、運用を開始したと発表した。

三井倉庫HDによると、化粧品製造業務の製造工程「製品ラベル貼付」において、製造ラベルが正しく貼付されているかの「製造ラベル貼付」チェック作業は、 スキルや経験による判定のばらつきや、集中力低下等で生じる人的ミスが課題となっている。AI画像検査機は、カメラで撮像した画像データをもとに、 対象物の位置や角度、形状、寸法、数量等の情報をAI技術で解析し、事前に登録したデータと照合して合否判定を行うことから、標準化された検査基準による一貫性のある高精度な検査結果が確保できる。

三井倉庫は化粧品製造業務を受託している企業の製造業務のラベル貼付の検査に「AI画像検査機」を導入したことにより、製造ラベルが手順書通りに正しく貼付されているか確認が可能となり、貼付漏れを防ぐことができるほか、検査結果と証跡画像を記録することで遡及調査を可能にする。

●取り組み概要
化粧品製造業務の製造工程「製造ラベル貼付(化粧品本体と商品ケースの2か所)」において、製造ラベルがSOP(標準作業手順書)通りに正しく貼付されているかどうか、 AI画像検査機による機械的な検査を実施するほか、その画像を証跡として記録する仕組み。

サービス概要図

●導入効果
①従来の目視検査から、AIを活用した機械的な検査への移行による検査精度の向上

②AI画像検査機で合否判定した製造物(製造ラベル貼付後の製品)を画像で記録することにより遡及調査への対応が可能

③製造(製造ラベルの貼付)と検査(製造ラベルが正しく貼れていることをチェック)の各工程を別々に行うセル方式(※1)から、 コンベヤを用いたAI画像検査機の導入によるライン方式(※2)に変更することで作業を同時に実施

④AI画像検査機を複数台併用することにより、形状が異なる複数タイプの製品へ対応が可能

※1:セル方式:製造、検査の各工程を工程毎に1名の作業者が完了する方式
(製造)開梱~商品取り出し~外装異常検査~製品ラベル貼付2か所(本体とケース)~梱包
(検査)開梱~商品取り出し~製品ラベル貼付確認2か所(本体とケース)~梱包

※2:ライン方式:コンベヤで商品を移動させながら、製造と検査の工程を複数名の作業者が分担して工程を完了する方式