パナソニックグループの物流中核機能を持つパナソニック オペレーショナルエクセレンス㈱(PEX)、レベル4(※1)自動運転トラックの開発とその輸送サービス提供を進める㈱T2、T2へ出資し自動運転トラックの輸送オペレーション構築を進める三井倉庫ロジスティクス㈱(MSL)の3社は10月24日、社会課題であるCO2排出量削減および労働環境の改善・労働力不足への対策に対して、将来に向けてレベル4自動運転トラックを活用する上で最も効果的な輸送オペレーションの構築を検討するため、レベル2(※2)自動運転トラックを使用した実証実験を開始すると発表した。

実証実験の期間は2025年1月~同年6月とし、新東名高速道路(沼津―豊田間)や伊勢湾岸自動車道および新名神高速道路を追加した区間(沼津―草津間)を自動運転走行することを軸に、レベル4自動運転トラックの活用を想定した輸送オペレーションの構築を検討するため、先行してレベル2相当の自動運転トラックを活用した実証実験に取り組む。実証実験ではパナソニックグループの貨物を実際に積載した状態で自動運転走行を行う予定としている。
※1:レベル4自動運転:特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態
※2:レベル2自動運転:ドライバーの監視のもとに行われる、特定条件下での高機能自動運転
(参照:国土交通省資料)https://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf
●実証概要
期間:2025年1月~2025年6月
場所:パナソニックグループ貨物の輸送が発生する関東~関西間の発着地(オペレーション全体としての対象)
レベル2自動運転技術走行区間:新東名高速道路「沼津~豊田間」、伊勢湾岸自動車道・新名神高速道路を加えた「沼津~草津間」
参加企業:パナソニック オペレーショナルエクセレンス㈱、三井倉庫ロジスティクス㈱、㈱T2
実証内容:
・トラックのレベル4自動運転に向けた高速道路上でのレベル2自動運転
・貨物を積載した幹線輸送における自動運転の走行ルートおよび走行リードタイム検証
・想定したオペレーションパターンの有効性検証
※すべての実証実験はドライバー乗車の上、レベル2相当で行う。
●パナソニック オペレーショナルエクセレンス 執行役員 安藤健太郎氏(物流担当)のコメント
当社は、持続可能な未来を目指し、CO2排出量の削減と労働環境の改善に取り組んでいます。今回の自動運転トラックを活用した輸送オペレーションの実証実験は、その一環として非常に重要なステップです。三井倉庫ロジスティクスおよびT2と協力し、最先端の技術を駆使して物流業界の課題解決に貢献できることを大変嬉しく思います。特に、日本国内の物流環境においては、ドライバー不足という深刻な課題にも自動運転技術の導入は非常に有効です。さらに、当社は物流のオペレーショナルエクセレンスを目指し、最適なオペレーションを追求することで、より高い品質と効率を実現し、持続可能な物流ネットワークの構築に貢献してまいります。将来的には、業務の標準化と効率化を実践し物流業界全体の発展に寄与することを目指しています。
●三井倉庫ロジスティクス 代表取締役社長執行役員 石川輝雄氏のコメント
当社は三井倉庫グループの現場で培われた物流ノウハウと、荷役の自動化や物流DX等の新たな技術を融合していくことで、持続可能で高付加価値な物流ネットワークの構築を進めております。自動運転トラックを活用した輸送と、その運用を支える物流トータルオペレーションの確立を目指すと共に、地球温暖化や物流業界の課題への対策に取り組み、物流の未来を見据え活動してまいります。
●T2 代表取締役CEO 森本成城氏のコメント
今回の実証は、2025年の事業開始および日本の大口荷主が参加するという観点において社会課題解決や日本の物流の変革に向けた大変に重要なステップです。「日本の物流を共に支える」という大義に共感頂き、素晴らしいパートナーと共に自動運転技術を活用した未来の物流に向けたチャレンジができること大変嬉しく思います。今後、パナソニックグループ、三井倉庫ロジスティクスと共に自動運転トラックでの幹線輸送実現に向けた協議会の推進をも目指しておりますが、本取組みを加速化させるべく、自動運転トラック幹線輸送に関わる幅広い業界の方々からの御賛同・御参画を切に願っております。