ギリア㈱は9月26日、㈱ニチレイロジグループ本社と共に、フォークリフトの運転操作や作業におけるAIを用いた安全対策の検証に取り組み、事故に繋がる恐れのある人の動きをチェックする作業が、目視と比べて大幅に削減できる見込みとなる成果を得られたと発表した。
食品の低温物流を世界各国で手がけ、国内最大規模の冷蔵保管能力を持つニチレイロジグループは、冷蔵倉庫や物流センターでのフォークリフトの運転操作で、事故に繋がる可能性のある状況を検知し、いち早く対策を取ることができる「データに基づいた安全基盤の構築」を目指している。
今回の検証では、運転者以外にフォークリフトの周囲に立ち入る作業員の検知に取り組んだとしている。ギリアが独自開発した映像解析AIを用い、接触事故等に繋がりそうな状況をAIが判別できるか、フォークリフトに搭載したドライブレコーダの数百時間もの映像データでの判定を行った。
ギリアは、自社で実績のある動画認識モデルを用いて映像データの検証作業を進め、判定時に発生するエラー要因を分析。倉庫内の環境は、保管される商品数や作業する人の動き等で常に変化しており、またドライブレコーダーの魚眼レンズによる特殊な映像から、状況を正しく検知することが困難と想定された。そこでシーンに応じた学習や対策を行った結果、接触事故等に繋がる可能性のある「運転者以外にフォークリフトの周囲に人がいるシーン」を高い精度で検知できるAIモデルを作成し、有効な成果を得られたとしている。
今回のAIモデルを用いることにより、管理者は映像データ全体の中から危険性のあるシーンの映像を抽出して確認、注意喚起や安全対策をより早期に行うことが可能となり、チェック業務の効率化と対応力を高めることが見込まれている。
ギリアは、数多くの事業関連のプロジェクトに携わった経験と研究開発を通じて、ゼロからの開発やPoC(概念実証)を繰り返し行わなくても、より短期間で顧客が保有するデータから一定の成果を出せる技術アセット(資産)を体系化している。映像解析の分野では、対象の検出や追跡、視線や姿勢の推定など映像から必要な情報を取り出す画像認識技術を生み出してきた。今回の検証では、その技術アセットを適用し、物流センター内での事故に繋がる恐れのある状況を高い精度で抽出できるAIモデルを短期間で構築できたとしている。今回の取り組み以外にも映像解析案件に関する数多くの実績がある。
今後ニチレイロジグループと共に、チェック作業を行うシステムのアプリケーション化に取り組むほか、AIを活用して幅広いシチュエーションでの不安全行動の対策にも活用を検討していくとしている。
●ギリアが提供するAIテクノロジー
https://ghelia.com/service/technology/