㈱メディパルホールディングスは9月2日、子会社のSPLine㈱が、希少疾病用医薬品の個人宅への医薬品配送サービス「emLine(エムライン)」(※1)を開始し、その第1号の対象製品として、旭化成ファーマ㈱の「エムパベリ皮下注」(※2)を配送すると発表した。
昨今、製薬企業がスペシャリティ医薬品の研究開発を進めており、医療用医薬品市場は大きく変化をしている。スペシャリティ医薬品には、高額かつ生産数が限られているものもあり、患者に投与されるまでの輸送過程において厳格な管理が求められている。さらに、在宅で治療が行われるケースにおいては、大量の薬剤を厳格な温度管理の下で持ち帰る必要があり、患者の運搬負担軽減に向けたサービス構築が課題となっていることから、製薬企業から個人宅配送サービスに関するニーズが増加している。
SPLineでは、その課題を解決するため、自宅まで配送を希望する患者と、医療機関・調剤薬局、製薬企業がスムーズに連携できるように「emLine」を構築。これにより、患者の薬剤運搬の負担軽減ならびに薬剤の品質確保を実現する。
※1:emLineとはencourage(勇気づける) medipal Lineの略称。メディパルグループではグループスローガンを「元気と、かがやき」としており、同サービスを通じて患者の「今日より元気でかがやける未来」につながることへの願いを込めている。
※2:旭化成ファーマが販売する、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療薬。PNHは生命を脅かす可能性のある、稀で慢性かつ後発性の血液疾患で、補体を介した消耗性の溶血性貧血、骨髄機能不全及び血栓症のリスクを高める特徴があり、低いヘモグロビン値が続くことによって、貧血や重度の倦怠感、輸血依存等を引き起こす。日本でのPNH患者数は現在927人とされている。(令和2年度末現在の厚生労働省の衛生行政報告例の特定疾患医療受給者証所有者数より引用)