青森県とヤマト運輸㈱は3月21日、高品質な青森県産農水産品等の国内外への物流および商流の拡大に向けて、青森県総合流通プラットフォーム「A!Premium」(エープレミアム)のサービスをさらに拡充していくため、「新青森県総合流通プラットフォーム構築に係る連携協定」を新たに締結し、同日に青森県庁で連携協定締結式を開催した。

左よりヤマト運輸㈱ 代表取締役社長の長尾裕氏、青森県知事の宮下宗一郎氏

        

青森県とヤマト運輸は2014年7月に初めて連携協定を締結し、2015年4月からエープレミアムのサービス提供を開始。航空機を活用したスピード輸送と保冷一貫輸送により、本州最北端に位置する地理的に不利な条件を克服し、青森県産農水産品等の国内外への物流および商流の拡大を推進してきた。

エープレミアムは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも堅調に実績を伸ばし、2020年度からの利用実績は3年連続で過去最多を更新。2023年度は過去最多実績をさらに大きく上回る見込みとしている。

一方、今後は「物流の2024年問題」や労働賃金引き上げ等によるトラック輸送力の低下が懸念されており、国内外の情勢変化に対応した輸送力の確保が必要なほか、輸送力を活用した新たな商流を国内外において継続的に開拓する必要がある。

今回、青森県とヤマト運輸は高鮮度・スピード輸送の拡充、顧客の多様なニーズを後押しする最適な輸送方法の提供等、物流環境の転換期に対応したエープレミアムの進化・発展に共同して取り組むため、新たな連携協定を締結したとしている。

●新たな連携協定に基づくエープレミアムの進化・発展について
①エープレミアムの特性を生かす新たな高鮮度・スピード輸送スキームを構築 ~小型航空機のスペース有効活用、専用保冷資材を開発
昨今、航空路線の減便・運休や機材小型化の影響、長距離幹線輸送におけるトラック輸送力確保が困難になってきていることを踏まえ、現在利用されていない小型航空機のスペースを活用していく。取り組みの第1弾として、青森―伊丹便を活用した航空輸送スキームを構築。今回、小型航空機への搭載に適した専用保冷資材を開発した。

エープレミアムの特性を最大限に発揮するため、スピード輸送が可能な航空機活用に加え、保冷一貫輸送を兼ね備えたサービスを提供するため、配送荷物の状態やクール品質の検証などトライアル輸送を重ね、2025年4月の実用化を目指すとしている。

青森―伊丹便を活用した航空輸送スキーム

専用保冷資材

②輸送品目およびお届け先に応じて輸送手段を最適化 ~顧客の多様なニーズに応えるサービスへ進化
エープレミアムは、物流と商流を一体的に支援するサービスとして、新たなビジネス展開を目指す顧客を中心に利用され、国内外への販路拡大をサポートしてきた。今後も顧客の多様なニーズに応えるため、航空輸送を軸としながら、トラック輸送や海上輸送等、あらゆる輸送手段を組み合わせた最適な輸送方法を提供するサービスへの進化・発展を目指すとしている。

③青森空港から海外へのダイレクト輸送 ~鮮度と品質を保ったまま、付加価値の高い県産品を海外にも輸送
海外への輸出は、コロナ禍や国際情勢の悪化により減少している。それらの課題に対して、輸出先の拡大に加え、青森県産品の特性である鮮度を保つ輸送力の構築を行っていく。

具体的には、青森空港における通関体制の確立や、羽田空港・成田空港を経由したスピーディーかつ安定的な海外輸送スキームを構築し、海外での物流および商流の拡大に生かしていくとしている。

●参考:2023年(令和5年)度における海外共同プロモーション事例
・香港フードエキスポへの共同出展 
・香港の和食店「海街丼」における試食商談会の開催
 https://www.pref.aomori.lg.jp/release/2023/74269.html

●今後について
引き続き両者で連携し、エープレミアムを活用した青森県産農水産品等の物流および商流の拡大に向けて、国内外でのプロモーション展開をはじめ、販路拡大を目指す顧客のサポートを強化していく。

●「A!Premium」ホームページ:航空輸送トライアル、海外での共同プロモーション実施
http://www.a-pre.jp/