NIPPON EXPRESSホールディングス㈱は12月18日、グループ会社の日本通運㈱が、中日本高速道路㈱(NEXCO中日本)と遠州トラック㈱と連携し、鉄道輸送の大動脈である東海道線区間不通時のバックアップ輸送体制として、NEXCO中日本と遠州トラックが共同で運営する中継輸送拠点「コネクトエリア浜松」を利用し、関東から関西の各貨物ターミナル駅をトラックで代替輸送する新たなスキームを構築したと発表した。

スキーム概念図
コネクトエリア浜松でのシャーシ交換の様子

「物流の2024年問題」や「2050年カーボンニュートラル実現」等の社会的課題の解決のため、10トントラック65台分の貨物を一度に輸送でき、地球環境に優しい鉄道輸送が注目されている。

一方、近年では地球温暖化による気候変動の影響で台風や線状降水帯による豪雨や大雪などの自然災害が増加し、鉄道輸送ネットワークが寸断される等、顧客のサプライチェーンが維持できないケースが発生している。そのため、輸送障害発生時の迅速なバックアップ輸送を求める声が高まっている。

●特徴
新東名高速道路の浜松サービスエリアに隣接する中継輸送拠点「コネクトエリア浜松」を利用することで、関東と関西間の東海道線をカバーし、災害による鉄道不通が発生しても、速やかなバックアップ輸送が可能となる。

関東エリアの3駅(東京(タ)・隅田川・越谷(タ))と関西エリアの4駅(大阪(タ)・百済(タ)・吹田(タ)・安治川口)の各貨物ターミナル駅から出発したコンテナ専用トラックが、コネクトエリア浜松でそれぞれのシャーシを交換し、出発地へ戻る。

トラックの日帰り輸送が可能となり、「物流の2024年問題」に対応する。ドライバーの宿泊手配やトラックの駐車スペースの確保等が不要なため、バックアップ輸送の初動を迅速化できる。

●テスト輸送実績
8月22日から23日の2日間、東京貨物ターミナル駅から百済貨物ターミナル駅間で試験輸送を実施、鉄道コンテナ(12FT)12個を輸送した。

●今後の展開
災害時に迅速に対応できるよう、定期的な試験輸送を実施する。日本通運は、地球環境の保護と持続可能な物流の推進を理念として、JR貨物と連携し鉄道輸送におけるバックアップ体制を強化することで、顧客のサプライチェーンの維持と安定に貢献する。

同輸送スキームの構築により、代替の輸送ルートや輸送モードの活用と組み合わせによるBCP対応ソリューションを提供し、顧客の事業継続を支えていくとしている。