江崎グリコ㈱、㈱キユーソー流通システム、ヤマト運輸㈱、プレミアムウォーター㈱の4 社は12月18日、「グリーン物流パートナーシップ会議」で令和5年度「物流パートナーシップ優良事業者 特別賞」を受賞した。4社はプレミアムウォーター向け販促品の輸送において、持続可能な物流の構築を目指し、「納品リードタイム延長による拠点集約、一貫パレット輸送スキームの構築」に取り組んだ。取り組みの結果、物流における生産性向上と環境負荷低減を実現した。

「納品リードタイム延長による拠点集約、一貫パレット輸送スキームの構築」の仕組み

江崎グリコは、これまで全国に6か所ある在庫拠点(DC=ディストリビューションセンター)を活用し、プレミアムウォーター向けの販促品を、受注翌日に全国の販売先に納品していた。しかし、全国で在庫の偏在が生まれ、在庫拠点間での低積載や無駄な輸送、繁忙期にはドライバー確保が困難な状況が発生していた。また、トラックへの積み込み方法も「バラ積み」と「パレット積み」が混在し、時間のかかるバラ積みの荷役作業がドライバーの負担になっていた。

そのため、4社は在庫適正化やドライバーの負担軽減を目指し、2023年5月から協働を開始した。プレミアムウォーターが、江崎グリコへの発注から納品までのリードタイムを「発注日+1日」から「発注日+10日」へと大幅に延長すると共に、在庫拠点を6か所から1か所に集約し、ヤマト運輸の全国ネットワークを活用することで、効率的な輸送スキームを確立した。 

在庫拠点を集約したことで、プレミアムウォーター向け販促品輸送分にかかる物流生産性が向上し、トラックの運行は年間1,550回相当削減(※1)できるものと試算した。これにより、二酸化炭素(CO2)の年間排出量を93.7トン削減(削減率39%)(※2)できると見込んでいる。

また、枚方DCからヤマト運輸茨木ロジセンターまでの輸送を「パレット積み」に統一することで、荷役時間の削減とドライバーの作業負担の軽減を実現した。

※1・2:江崎グリコ試算による

●今後の展開
物流事業者や荷主企業はトラックドライバーの「担い手不足」や、時間外労働時間の上限規制などにより、物流の滞りが懸念される「2024年問題」に直面している。また、環境に配慮したグリーン物流の構築が求められている。今後も荷主(発荷主、着荷主)、物流事業者のそれぞれが連携し、生産性向上や環境負荷低減など持続可能な物流の構築を目指した活動を続けていくとしている。

●経済産業省プレスリリース:物流パートナーシップ優良事業者表彰受賞者を決定(2023年12月4日)
https://www.meti.go.jp/press/2023/12/20231204001/20231204001.html