㈱関通は8月22日、関東圏の食品流通に特化した運輸・倉庫業を手掛ける北王流通㈱へ自社開発・提供しているWMS「クラウドトーマス」の提供を開始し、それを機に両社で「食品向けワンストップ物流サービス」の協業を開始すると発表した。

物販系分野BtoC-EC市場規模において、食品、飲料、酒類の市場規模はトップだがEC化率は3.77%と低く今後大きな成長が見込まれており、ここに両社が協力して取り組むことにより、様々なソリューションの提供が可能としている。

物販系分野の商品毎BtoC-EC市場規模(出典)経済産業省「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」

現在、関通では冷凍冷蔵の問い合わせが多く、冷凍冷蔵倉庫はほぼ満床になる等、顧客からの引き合いを多く受けている。その中で現在の冷凍冷蔵の輸送は選択肢が少なく、運賃も高騰している。

北王流通は冷凍冷蔵の輸送インフラや冷凍冷蔵倉庫のキャパシティーを強みとし、関通は庫内オペレーションのノウハウやWMS等のシステムを強みとしており、両社の強みを組み合わせることにより、北王流通では既存顧客のEコマース等の対応の実現、関通では冷凍冷蔵での共配網の構築等、両社の顧客に対して冷凍冷蔵物流サービスの範囲を拡大させ、様々なニーズに対応できる体制を整えることが可能となり、スムーズな物流サービスを提供するとしている。

また、今後の食品、飲料、酒類の市場規模の拡大とEC化率の向上に向けた対応を可能にし、両社のビジネスチャンスを広げることが可能となるとみている。

サービス拡充イメージ

冷凍冷蔵の配送は、冷凍食品の技術向上が進む中、温度管理が必要な配送においてドライバー不足や配送リードタイム、インフラの依存等の課題もあるが、両社で冷凍冷蔵の共配網を構築することにより、そうした課題をクリアするのみならず、コスト面でもメリットを出せるとみている。

なお、今回の共配網はまず首都圏からスタートすることを明らかにしている。