NEXT Logistics Japan㈱(NLJ)は3月28日、経済産業省が主催する令和4年度「無人自動運転等のCASE(※1)対応に向けた実証・支援事業(物流MaaS※2の実現に向けた研究開発・実証事業)」実施団体に選出され、将来の物流結節点における作業の自動化に向け、自動荷役の実装に向けた課題抽出および解決を目的とした実証を実施した。
今回の実証では、自動運転フォークリフト(AGF)と自律走行搬送ロボット(AMR)を用いたトラックへの荷積み/荷下ろし、および荷姿の標準化について検証を行い、自動荷役技術が一定の条件下(※3)で社会実装可能なレベルであることを確認した。
※1:CASE(C=Connected(つながる)、A=Autonomous(自動運転)、S=Shared(シェアリング)、E=Electric(電動化))自動車の次世代技術やサービスの新たな潮流を表す。
※2:MaaS(Mobility as a Service=IT技術を使って公共交通機関同士をシームレスに連携、人々が便利で効率的に利用できるようにする仕組み)を活用し、物流業界が抱える人手不足や長時間労働等の課題解決を目指す取り組み
※3:荷室内に段差ある・無い各車両に、3種類の異種混載パレットの荷役実施を想定。
●実施概要
・自動運転フォークリフトを使い、NLJの運行を想定した積み付けパターンでのトラックへの荷積み/荷下ろしを実証
・自律走行搬送ロボットを使い、自動運転フォークリフトと連携した荷捌き場での荷積み/荷下ろしを実証
・NLJの取扱荷物実績に基づいた、業界ごとにおける最適な荷姿パターンの検証、および荷姿標準化による効果の測定
●実証結果と次の取り組み
○車両情報や荷物情報と連携したシステム環境の構築
AGF/AMRの連携による荷役作業の自動化において、以下3つの実証を行い、実装できる段階であることを確認した。
(1)ダブル連結トラックを含む複数種類の車両での荷役
(2)車両の両側からの同時荷役
(3)同一荷室内における異種混載パレットの荷役
○業界としての荷姿標準化の促進
これまでのNLJの取扱荷物実績に基づき、パレットの種類と高さの要件を解析し、荷姿の標準化に向け、選定した9パターンのパレット活用による効率化の検証を行った。この9パターンで業界ごとの最適パターンを検証した結果、複合積載率(※4)では最大84.4%の積載効率(業界平均39%※5)を実現し、荷姿標準化による効率性向上の効果を確認した。
※4 (重量使用率+容積使用率)×1/2
※5 国土交通省統計値より弊社試算
●協力会社
㈱アイシン(自律走行搬送ロボット提供)
㈱豊田自動織機(自動運転フォークリフト提供)