トランコム㈱は11月7日、同社コア事業である物流情報サービス事業の求貨求車サービスにおいて、㈱PKSHA Technologyの予測・最適化技術を活用したアルゴリズムを導入した。
同社は、顧客の定期幹線輸送や波動対応のスポット輸送のニーズと、全国のパートナー企業の車両情報をマッチングする求貨求車サービスを提供しており、同社が強みとしている中長距離の幹線輸送は荷姿、荷物の固定方法、積み降ろし場所のルールなど輸送条件が多岐にわたるため、AI等を用いた自動マッチングは難しく、詳細な情報取得や条件交渉は人手を介す必要がある。そのため、「アジャスター」と呼ばれる営業スタッフが荷請け判断を行い、荷主の要望に合わせて柔軟な対応をしている。
一方、荷請け判断には一定の属人性が伴うため、一部においてマッチングロス (マッチング可能性が高いにも関わらず荷請けしなかったことによる輸送機会ロス)が発生していた。今回、PKSHAの予測・最適化技術を用いた、マッチング可能性をスコア化するアルゴリズムを開発・導入することで、マッチングロスの削減を目指すとしている。
●システム概要
数千万にも及ぶ過去のマッチング実績、および過去数年の貨物・空車の需給傾向をAIが学習し、対象貨物とマッチングできる空車が見つかる可能性を予測、100点満点でスコア化し、スコアの根拠として①予想空車量②ルート③過去実績でアジャスターの荷請け判断をサポートする。
●AI導入による効果
・10%のマッチングロス削減見込み
・荷請け判断のスピードアップに伴う顧客満足向上
・新人アジャスターをサポート
今回のAIシステムを導入することで、検証時の試算では、スコアを活用することで従来荷請けしなかった貨物のうち10%(約1万件/年)以上が荷請けに回る見込みとなったとしている。
●データ活用イメージ