㈱日立物流は8月29日、日本マテリアル・ハンドリング(MH)協会主催「第28回日本MH大賞」と、(公社)日本ロジスティクスシステム(JILS)協会主催「2022年度ロジスティクス大賞」で、同社の「自動ロボット仕分け(Automated Robotic Sorting)システム(ARS)」がそれぞれ優秀賞と準大賞を受賞したと発表した。

ARSは東日本第二メディカル物流センター(埼玉県加須市)に2021年10月より導入したシステムであり、杏林製薬㈱をはじめとした複数荷主の出荷作業に対応している。今回の受賞は、ケース出荷作業におけるトータルピック後の作業(パレット搬送、ケース仕分け、ステージング)を完全自動化したことによる無人化の実現等が評価されたもの。

●システム概要
①無人化、②作業柔軟性、③設備柔軟性、④シェアリング、の4つをコンセプトとして開発された。対象範囲はケースのトータルピックが完了した後、垂直搬送機での荷受けから、方面別に仕分けたパレットをステージング(出荷荷揃え)するまでの一連とし、対象範囲における完全自動化を実現した。

ARS導入後の作業フロー
ARSにより無人化された作業の様子

●設備連携とシェアリング
ARSはロボットアーム式のデパレタイザ・パレタイザ、パレットAGV、無人フォークリフトのほか、付帯設備としてバーコードリーダ、オートラベラ、空パレットの段積み機、段ばらし機で構成される。従来、異なるメーカーの設備を相互に連携することは不可能だったが、同社が開発した統合制御システムRCS(Resource Control System※1)を用いることでシームレスな連携が可能となった。また、荷主ごとのオーダーメイド型ではなく、メディカル物流用に標準化されたWMS(Warehouse Management System※2)を使用することで、複数荷主で設備のシェアリングが可能となり、設備の稼働率を向上させている。

※1:物流センター運営の最適化を担う統合制御システム
※2:物流センター管理システム

ARS導入前後の設備連携イメージ図
設備シェアリングのイメージ図

●顧客・杏林製薬㈱のコメント
この度は栄えある受賞、誠におめでとうございます。 貴社が開発したシステムにより、ケース出荷の仕分け作業(ピッキング、ラベル貼付、配送先仕分け)を自動化し、ヒューマンエラーの撲滅に結び付いています。災害時や設備故障時にはマニュアル作業に切り替えることが可能であり、安定した製品出荷体制の維持継続に繋がっております。 今後益々のご発展をお祈り申し上げます。