(一社)日本物流団体連合会(物流連)は9月28日、全日通霞が関ビル(東京都千代田区)の会議室において、令和8年度第1回経営効率化委員会(委員長: 全日本空輸㈱ 上席執行役員 貨物事業室長 兼 ㈱ANA Cargo 代表取締役社長 兼 日本貨物航空㈱ 取締役 脇谷謙一氏)を開催した。

経営効率化委員会風景

同委員会は物流業において経営上の課題となる問題について調査検討を行っており、労働生産性の向上、ダイバーシティ推進や危機管理等、テーマごとに適宜小委員会等を設置して調査を行うほか、国の施策について情報提供等を行うため設置しているもの。

第1部の講演会には、㈱Mujin Japan 営業本部 名古屋営業部長の松本圭太氏を講師に招き、第1回日本物流大賞「先進技術活用賞」受賞案件について、「工場物流改革への挑戦」と題してフィジカルAIを活用した物流・製造現場の自動化と、その将来像について講演した。

講師の松本圭太氏

講演では、最初に同社が2011年の創業時から取り組んできた「フィジカルAI」について説明があり、人間と同じように周囲の状況を認識し、自ら最適な動作を考え、実行する知能ロボットの仕組みについて具体的な事例を交えながら詳しく解説した。また、異なるメーカーのロボットや AGV、自動倉庫等を、自社開発の「MujinOS」や「Mujinコントローラ」によって統合的に制御することで、物流・製造現場全体の自動化・最適化を実現していることを紹介した。

さらに、物理空間で稼働するロボットには高い安全性と確実性が求められることから、周辺環境の認識にはAIを活用する一方、ロボットの動作や搬送ルートの決定には数理モデルを用いる等、安全性を担保する独自の技術について説明した。加えて、今後、深刻な人手不足等を背景に物流・製造現場へのロボット導入が急速に拡大する中、個々の設備を部分的に自動化するのではなく、WES(倉庫実行システム)等を活用して各種設備やシステムを連携させ、全体最適を図ることが重要だと強調した。

具体的な導入事例である今回の受賞案件について、㈱三五において、AGV やロボット、自動倉庫を組み合わせることで、トラック便数や荷待ち時間、物流コストの大幅な削減を実現した事例等を紹介し、自動化を成功させるためには単にロボットを導入するのではなく、事業目標から逆算した構想設計と、物流工程全体を見据えたシステム構築が重要だと説明した。最後に、不定形物の自動化や人の作業との役割分担等について活発な質疑応答が行われ、講演会は盛況のうちに終了した。

引き続き、第2部の委員会では、「令和8年度 上期活動報告」として、

①「AIの利活用に関する意識調査アンケート」の分析結果の報告
②先進技術活用推進情報交換会の実施

の2点の活動状況について事務局より報告した。

脇谷委員長

続いて「令和8年度 下期活動計画(案)」について、

①先進技術活用推進情報交換会の実施
②施設見学会の実施
③「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」および「官民物流標準化懇談会」ならびにその分科会等への参画

の3点を実施していく案が事務局より示され、原案通り承認された。