東北電力㈱とトッパン・フォームズ㈱は7月29日、両社が印刷配線(※)とRFID技術を組み合わせて開発した、油や水、水性薬品等の液漏れ検知システムが、(一社)日本自動認識システム協会主催「第24回自動認識システム大賞」で「優秀賞」を受賞したと発表した。

両社は6月から東北電力の新仙台火力発電所で、同システムを活用した実証実験を実施している。実証で得られた知見や課題等を踏まえ、今後、同システムの機能拡張に向けた取り組みを進めていくほか、他の発電所だけでなく、石油化学や製薬など多くの配管を有する他業種への販売を目指していく、としている。

なお、同システムは9月14日~16日に東京ビッグサイトにおいて開催される「第24回自動認識総合展(主催:日本自動認識システム協会)」で紹介される予定。

※特殊インキを用いて電気回路を印刷する技術。

●液漏れ検知システムの特長

(1)液漏れの早期発見が可能
従来の目視確認では配管を覆う外装板から液体が染み出た状況でなければ発見が困難だったが、本システムは外装板の内部に検知システムを設置できるため、液漏れ量が少ないうちに早期発見が可能となる。

また、遠距離から読み取りが可能なRFIDの特長を生かし、従来では作業員の目が届きにくかった箇所の点検も可能になる。

(2)電源やメンテナンスが不要
設置したICタグはリーダからの電波で起動するため、電源の確保や電池交換のためのメンテナンスが不要。電源の確保が必要な従来システムでは設置が難しかった箇所でも利用可能。

(3)印刷配線の技術を用いることで、大幅な価格低減が可能
金属配線による検知回路作成に比べて原材料を削減し、安価かつ大量に製作できる。