三進金属工業㈱は10月15日、同社の「『つな木つながる』プロジェクト(㈱日建設計と共同)」「薄型軽量ボルトレスラック」が、2025年度グッドデザイン賞(主催:(公財)日本デザイン振興会)を受賞したと発表した。

「『つな木つながる』プロジェクト」は、木質組立ユニット“つな木”を用いて誰もがものづくりを身近に感じ、「木を使う文化の再生」「国産材活用による木材業、林業の活性化と育成林保全」「人がふれ合う豊かなまちづくり」の実現を目指しており、広く誰もが自由に活用できるデザインのほか、製品開発にとどまらず地域社会との連携を軸に活動を拡張している点が評価され、「 薄型軽量ボルトレスラック」は、棚板を22mmの薄さに抑えて物流現場における効率化と作業者の負担軽減を同時に実現した実用性に優れたデザインが評価された。同社では、今回の受賞を契機につな木活動のさらなる発展と薄型軽量ボルトレスラックの販売拡大を図るほか、ものづくりにおけるデザインの活用を積極的に推進し、ブランドイメージの向上に務めていくとしている。

2025年度グッドデザイン賞

●受賞取り組み
取り組み名称:『つな木つながる』プロジェクト

『つな木つながる』プロジェクト

製品概要:つな木は、国産・地域木材を使って、木と木、木と人、そして人と人を「つなぐ仕組み」。45mm 角の木製材専用クランプを用いることで釘を使わず誰でも簡単に組立てられるため、多彩な主体が地域材など活かし「小さい木造」をつくるきっかけづくりに繋がる。さらに全国各地の木材業者・製造・販売メンバーを結ぶ「つな木つながる CLUB」の立ち上げにより地域国産材の活用や森林保全、地域活性化等の取り組みを積極的に進めている。
受賞者:三進金属工業㈱、㈱日建設計
つな木WEBサイト: https://tsunagi-wood.jp/
2025グッドデザイン賞受賞サイト:https://www.g-mark.org/gallery/winners/32443?years=2025

◎審査コメント
クランプの操作が容易で、使用者を限定しない点が優れている。建築の下地材などに一般的な45mm角材を採用することで、材料の入手性とコストの低減を実現しており、避難所の間仕切りや屋外シェルタなど災害時にも有効性が期待される。シンプルな構造により、キットとして利用することも、自ら設計し新たな形を生み出すことも可能で、プロからアマチュアまで広く開かれたデザインとなっている。さらに、製品開発にとどまらず、地域社会との連携を軸に活動を拡張している点が高く評価できる。「つな木つながるCLUB」により、全国の木材業者・製造・販売メンバーを結び、地域ごとの木材資源や技術の共有を通じて、木材産業の活性化、人と人との交流を促進している。プロダクトを起点として、地域循環型の経済と文化を育むデザインとして展開を続けている点が印象的である。

●受賞製品
製品名称:薄型軽量ボルトレスラック

薄型軽量ボルトレスラック

製品概要:薄型軽量ボルトレスラックは、棚板の厚さを22mmに抑えつつ、1段当たり50㎏の耐荷重性能を実現した意匠性の高い軽量タイプのスチール製ボルトレスラック。近年のEC事業の拡大に伴い、日用品などの軽量物を多品種小ロットで保管するケースが増え、従来の物品棚ではオーバースペックとなっていたが、薄型軽量ボルトレスラックは50㎏/段で棚板の厚さを最大限まで薄くすることで保管スペースを確保し、より多くの荷物を保管することができる。さらに1段で棚板2枚分の奥行サイズにより両面からの出し入れや大判物の保管にも対応し、用途に応じた様々な使い方が可能。
受賞者:三進金属工業㈱
三進金属工業㈱WEBサイト: https://www.sanshinkinzoku.co.jp/
2025グッドデザイン賞受賞サイト:https://www.g-mark.org/gallery/winners/29453?years=2025

◎審査コメント
本製品は、框高さ22mmという薄型棚板でありながら、1段あたり50㎏の耐荷重を実現した軽量スチール製ボルトレス物品棚である。限られたスペースでの効率的な収納を可能にするため、有効保管容積を最大化するとともに、両面利用や大判物の保管にも対応できる優れた設計を備えている。さらに、ボルトレス構造により誰でも容易に組み立てや段変更が可能で、作業時間を大幅に短縮できる点も高く評価された。薄型棚板の開発によって、物流現場における効率化と作業者の負担軽減を同時に実現した、実用性に優れたデザインである。

11月1日~5日に東京・六本木の東京ミッドタウンで開催される「2025年度グッドデザイン賞」の全受賞作を紹介するイベント「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」で、受賞作を展示する予定。