㈱寺岡精工は4月11日、令和6年度知財功労賞において知的財産権制度活用優良企業等として「経済産業大臣表彰」を受賞したと発表した。
知財功労賞は経済産業省/特許庁が日本の知的財産権制度の発展・普及・啓発に貢献した個人および知的財産権制度を積極的に活用した企業等を表彰する制度。令和6年4月18日の「発明の日」に合わせて表彰式が行われる。
●令和6年度「知財功労賞」について(特許庁HP)
https://www.jpo.go.jp/news/koho/tizai_koro/2024_tizai_kourou.html
●受賞のポイント
同社は99年前に「はかり」の発明と共に創業して以来、「新しい常識を創造する」というビジョンのもと、日本初・世界初の製品を生み出し続けてきたとしている。同社はこれらのイノベーションを保護する知的財産権を重要な経営資源と位置付けており、経営陣および知財部門、社内各部門が一体となって、知財制度を有効に活用してきたことが評価されたとしている。
具体的な受賞のポイントは以下の3点。
①事業に資する知的財産権=権利行使しやすい知的財産権を追求するため、事業部門からの提案にとどまらず、知財部門主導による発明発掘を心がけ、さらに出願決定は知財部門の裁量で実施。知財部門は代表取締役会長・社長の直轄であり、新製品に不可欠な知財・デザインの意思決定や権利行使の方針等の意思決定スピードは迅速。権利行使しやすい権利を取得するため、分割出願も積極的に活用。
②新製品の構想会議等は知財部門が主催・運営。特許調査や他社の模倣防止等知財の観点を漏らさずスムーズな出願につなげる体制を整備。また、知財部門は競合他社の公報情報を事業部門へ遅滞なく配信すると共に、開発部門に対して定期的に説明会を実施する等攻めの情報発信を行う。
③事業部門、営業部門、知財部門とが一丸となり、特許に関する情報を大々的に営業に活用。特に2010年に業界で初めて市場投入を開始した「セミセルフレジ」の事業展開にあたっては、展示会や営業資料上で特許の存在をアピールしパイオニアである点を強く印象付け、スーパーマーケット等での導入が急加速。さらに特許権の行使や特許を前提とした契約交渉によって、シェア拡大に知財が大きく貢献。
寺岡精工は令和3年度全国発明表彰において「セミセルフレジにおける精算機指定方式」が「発明賞」を受賞する等、先駆的な製品・ソリューション開発を行っている。
●企業概要および受賞のポイント(特許庁提供、※PDF)
https://www.teraokaseiko.com/jp/news/news-release/2024/20240409082722/news_file_trk/file/%E7%9F%A5%E8%B2%A1%E5%8A%9F%E5%8A%B4%E8%B3%9E_%E5%8F%97%E8%B3%9E%E3%83%91%E3%83%8D%E3%83%AB.pdf