(一社)日本物流団体連合会は10月19日、東京都港区の第一ホテル東京において、第23回「物流連懇談会」を開催した。同懇談会は、物流業界の幅広い会員の参加を得て、会員への情報提供、会員相互の情報交換・交流のために行われているもの。

懇談風景

今回は、全日本空輸㈱ 取締役専務執行役員の外山俊明氏による「国際航空貨物の市場動向とANAの戦略について」と題する講演が行われ、会員企業の代表者や幹部等68名が参加した。冒頭、真貝物流連会長の挨拶の後、講演会が開始された。

講演する外山氏
真貝会長の挨拶

まず初めに、ANAの貨物事業の概要について紹介した後、昨今の国際航空貨物の市場動向、航空貨物の機会と課題、ANAの貨物戦略というテーマに沿って講演を進めた。

世界経済の成長に合わせて航空貨物市場も成長を続けており、サプライチェーンの変化、ニーズの変化によりモノの流れが変わり、スピードと情報可視化が問われる時代になりつつある昨今、人手不足、航空貨物輸送を構築する関係者間の情報連携の不足、環境対策等の課題にも向き合いながら「Smart Cargoモデル」の実現に向けたANAの様々な戦略を紹介した。

講演会風景

多様化するニーズに対応可能な貨物便ネットワークの構築、成田空港に新設されるANA最大の貨物上屋(第8貨物ビル/2024年10月運用開始予定)への施設集約と最新自動化技術導入による顧客の利便性向上、新システムを活用した顧客へのタイムリーでシームレスな情報提供によるサービス品質の向上、業務プロセスの効率化による社員の働き方変革、医薬品・生鮮品輸送の品質認証プログラムIATA CEIV認証の取得による世界基準の安全な輸送品質等、貨物戦略の具体的事例を示し、ANAの目指す持続的な成長を実現していくとした。

最後に、ANAは高品質でサスティナブルな航空輸送サービスにより、顧客や社会のあらゆるニーズや期待に応えていくとして講演を終えた。