幻冬舎グループの㈱幻冬舎メディアコンサルティングは8月18日、「ラストワンマイルの使命」(野田慎太郎著)を2023年8月22日に発売すると発表した。

「ラストワンマイルの使命」

物流の品質向上を目指す著者が社会、経済の発展に欠かせない軽貨物運送の実態と改善すべき業界の構造的問題に迫る。物流システムの「ラストワンマイル」を担うドライバーが安心して配送業務に専念できる環境を整えたいとの思いから著者は運送業界の常識を変えるべく、社内改革を続けてきたとしている。

一般的な物流におけるプロセスには、製造元から集荷し、中継地点や物流センターを経由する等、受取人に届くまでにいくつかのステップがある。ラストワンマイルとはこのプロセスのなかで最終拠点から商品を受取人のもとへ届ける最後の区間のことを意味する。つまり、このラストワンマイルを支えるドライバーがいなければ、受取人に荷物が届くことはなく、社会インフラにおいて非常に重要な役割を果たしている。

しかし、運送業界におけるドライバーの労働環境は決して良いものだとはいえず、重労働の割に報酬は低く、長時間労働や休日勤務も少なくない。そうした環境下で、交通渋滞や天候不良などのストレスを抱えながら事故なく安全に荷物を届けなければいけない重い責任も常につきまとうほか、劣悪な労働環境はドライバーの人手不足に拍車を掛けて運送業界全体における大きな問題となっている。

もともとアルバイトとして20歳で運送ドライバーになって以降、15年以上にわたって運送業界一筋でラストワンマイルを駆け続けてきた著者は、自分と同じように業界の構造に苦しむドライバーを1人でも救いたいとの思いから、ドライバーが働きやすい管理体制の構築を目指して運送会社を設立した。

ドライバーの賃金アップや福利厚生の充実、次世代のドライバーを育てる教育制度の整備など業界の常識を覆す数多くの社内改革を進めていくほか、中間業者を通さず委託先から直接受注することで、物流プロセスの最も大きな問題であった多重下請け構造を回避することにも取り組んだ。そうした改革を通じてドライバーは若者を中心に増え、荷物の取扱量も増え業績は右肩上がりを続けているとしている。

本書は、著者が考えるラストワンマイルの社会的使命とは何か、その使命を果たすために取り組んできた社内改革についてまとめたもの。物流の品質向上を目指し、担い手となるドライバーを取り巻く環境を改善するためのヒントとなる一冊としている。

●書籍情報
書名:「ラストワンマイルの使命」
著者:野田慎太郎(ノダシンタロウ)
発売日:2023年8月22日
定価:1,600円(税込価格1,760円)
体裁:四六判・並製/192ページ
ISBN:978-4-344-94703-0

●目次
第1章 ラストワンマイルをつなぐ 社会、経済の発展に欠かせない軽貨物運送とは
第2章 体力的、精神的負担の大きさに比して報酬が見合っていない 軽貨物ドライバーの悲惨な待遇
第3章 多重下請け構造、下請けいじめ、ずさんな労務管理……軽貨物運送業界にはびこる構造的な問題と悪しき慣習
第4章 ドライバーの賃金アップ、福利厚生の充実、教育研修……業界の常識を覆し、軽貨物運送の社会的地位向上を目指す
第5章 ドライバーの独立支援制度を業界全体に波及させる 同じ考え方、同じ手法の会社が増えれば軽貨物運送業界はもっと良くなる
第6章 社会、経済の発展と密接に関わる“ラストワンマイル”軽貨物運送のビジネスチャンスは無限大

●著者プロフィール
野田慎太郎(ノダシンタロウ)
1987年大分県生まれ。自衛隊勤務を経験した後、20歳でヤマト運輸にアルバイトとして入社。22歳で正社員登用と同時に管理職であるセンター長へ就任し幅広い業務を担当。24歳で日本郵便に転職。28歳で同社を退社し、自身を成長させてくれた物流業界に恩返しをすべくAEトランスポートを設立。㈱AE物流と㈱KAZEの出資者であり役員でもある。ドライバーが事故に見舞われた際に迅速な対応を可能にするため、保険の代理店を自社で運営。すべての関係者が「頼んで良かった」「やって良かった」と価値を実感できる会社を目指す。2022年11月より飲食業にも挑戦。BARAEROのオーナーでもある。座右の銘は「百折不撓(ひゃくせつふとう)」、大切にしているものは信念、プロ意識。軽貨物運送業や物流の世界の魅力を伝えるためにYouTube AEチャンネルも運営。