㈱NX総合研究所(NX総研)は10月7日、㈱日立ソリューションズ東日本(日立ソ東日本)が提供する、実践型サプライチェーン・ビジネスシミュレーション研修の提供を10月より開始したと発表した。
コロナ禍、地政学リスク、円安等を背景に、製造業では原材料調達のコスト上昇やリスク管理、需要に応じた仕向地・消費地へのタイムリーな供給等の観点で、物流業界では、ひっ迫するコンテナ輸送の需給、EC普及による取り扱い貨物量の増加に対する人手不足等の観点で、サプライチェーン全体の見直しや効率化が必要不可欠になっており、特にサプライチェーンマネジメント(SCM)を担う人財育成が急務となっている。
一方、日本におけるSCM教育は、高等教育機関における知識習得機会が限られ、企業内での教育もOJT中心という実態も多いのが現状。教育実施形態も、関連業務間の繋がりや影響、組織横断的な合意形成、戦略に沿った財務情報やKPIに基づく意思決定等、SCMの本質的技術習得機会が不十分な場合もあったとしている。
こうした背景のもと、日立ソリューションズ東日本は、「社員の経営スキル(例:迅速な合意形成と経営判断)を向上したい」「SCMの知識を習得したい」「全体最適の視点から判断する意思決定業務を経験させたい」等のニーズに応え、オランダInchainge社と契約を締結し、同社が提供する実践型SCM・サプライチェーン経営人財教育プログラムThe Fresh Connection(TFC)を日本国内で2019年より展開している。2022年9月9日現在までに、56社657名が受講しており、Inchainge社が開催する世界大会では、日立ソリューションズ東日本がTFCの提供を開始して以来、上位に日本企業が入賞する等、多くの顧客の人財育成に貢献している。
NX総研は、2020年に同ビジネスシミュレーション研修を受講後、対外的な研修提供の検討・準備に着手。2021年に日立ソリューションズ東日本の支援のもと、複数名が対象ビジネスシミュレーション研修の認定講師資格を取得後、講師育成のためのTrainer Challengeプログラム、各種研修を通じた講師育成に取り組み、サービス提供開始準備を進めてきた。
さらに2022年春には、両社は都内有名私立大学関係者、パートナー企業関係者も含む産学連携の体制の下、対象となるビジネスシミュレーション研修の参考書とも位置付けられる、「ビジネスゲームで学ぶサプライチェーンマネジメント」の出版にも当たり、研修プログラムの前提知識を補完可能な知識基盤の整備を推進している。
以上の人財育成及び参考書籍の整備も踏まえ、NX総研では2022年10月より、NXグループ向けに対象ビジネスシミュレーション研修の提供を先行開始し、2023年度以降、顧客に対する研修提供を予定している。さらに2025年度には、年間20社(仮)への研修プログラム提供に当たり、NX総研のコンサルサービス、NXグループの物流サービスとの相乗効果創出を目指すとしている。
●サプライチェーン・ビジネスシミュレーション研修について
https://www.hitachi-solutions-east.co.jp/products/scm_prg/