米Inforの日本法人、インフォアジャパン(株)は2月8日、「2022年のテクノロジーに関する予測」を下記の通り公開した。

本予測は、同社プリンシパル ソリューション アーキテクトの佐藤幸樹氏によるもの。

●2022年のテクノロジーに関する予測

(予測1)EAP(エンタープライズアプリケーションプラットフォーム)によりコンポーザビリティはビジネスプロセスレベルにまで拡大

ERPシステムが最新のEAP(エンタープライズアプリケーションプラットフォーム)に進化することで、プラットフォームの定義が広がり、クラウド環境のコンポーザビリティ(複数の要素を結合して構成しやすくなること)だけでなく、クラウドとオンプレミスのハイブリッド環境でもコンポーザビリティが提供されるようになる。

コンポーザビリティはアプリケーションレベルにとどまらず、ビジネスプロセスレベルにまで複数要素に分割されることになる。

そして、企業は標準的なオペレーションモデルやプラットフォームにおいて、一貫した統合性、ワークフロー、データ分析および拡張性を求めるようになる。

ユーザーは用意されたものをそのまま活用するのではなく、自身のニーズに合わせて独自のプロセスやエクスペリエンスを構築したいと考えるようになる。

(予測2)ビジネスプロセス定義、AIやインテリジェンスが購買判断に定着し始める

当たり前だが、1つとして同じビジネスはない。ユーザーは柔軟なシステムでビジネスのやり取りを定義できるような、簡単でシンプルな方法を求めている。そのために、マイクロサービスの検討が促され、企業はまるで新居の間取りを設計するかのように、ソフトウェアシステムを構築し、組み立てるようになる。企業には最新のEAPが導入され、ビジネスプロセスはニーズに合わせて組み立てられるようになるだけでなく、フレームワークに組み込まれたAIやインテリジェンスに基づいて自律的に維持・補正されるようになる。

(予測3)アナリティクス、インテリジェンス、ユーザーエクスペリエンスが(実際に)集約されることで、リアルタイムな意思決定が実現

2022年には、車のバックミラーを覗き込むような今まで通りのダッシュボード形式ではなく、ジャストインタイムで情報を得ることがきわめて重要になる。意思決定は、過去のデータやデータの表現だけでは成功させることはできず、予測可能な情報をプロセスに組み入れなければいけない。そういった洞察は、運用上の別場所にあるのではなく、まさに意思決定や行動の時点で必要となる。

データファブリック、ビジネスインテリジェンス、AI・機械学習、ユーザーエクスペリエンスのすべてが、1つのソリューションに集約されることで効果を発揮することになっる。

(予測4)「エッジ」ソリューションの定義と適用方法が変わる

「コア」および「エッジ」ソリューションの多くは、すでに接続されており、もはやエッジソリューションが関係するのはデバイスだけではない。つまり、一部の業務が依然としてオンプレミスでのローカルな管理を必要としていることが分かる。生産性に影響を与えずに、クラウドとオンプレミスの真のハイブリッドでビジネスを進められるかどうかが鍵となる。例えば、顧客は機械学習のようなクラウドによるイノベーションを必要としている。同時に、そのような技術を、従来の「エッジ」デバイスだけでなく、顧客のオンプレミスのシステムにも適用する必要がある。

(予測5)音声対応デバイスやデジタルアシスタントがリモートワークに必須のビジネスツールに

ビジネスの世界がリモートワーク環境に移行していくにつれて、ユーザーエクスペリエンスの定義は変化し続けている。音声アクセスや音声機能が以前からエンタープライズ分野で注目されていたが、今後ますますセキュリティ管理が厳しくなり、従来のWeb画面から離れて業務を遂行できる新しい方法が必要になると予想している。2022年には、音声対応デバイスを通したほぼ完全な業務機能の実行が求められ、デジタルアシスタントがタスクを追加したり自動化したりするようになると予想している。