㈱イシダは9月8日、武蔵精密工業㈱およびソニーセミコンダクタソリューションズ㈱による技術提供の下、計量検品機能と自律搬送機能を組み合わせたコンセプトモデル「さいまるカート AMR」を開発したと発表した。既存のピッキング運用を活かしながら、省人化と品質維持の両立を目指すソリューションとして構想しており、現場環境や投資計画に応じた柔軟な導入を想定している。2026年9月8日から開催される「国際物流総合展2026」にて参考出展した。
同社によると、物流業界では人手不足や物流効率化法への対応を背景に、自動化への関心が高まっている一方、「既存設備を活かしたい」「人件費・コスト高が課題」といった声も同社の営業担当者には届けられており、自動化を求めながらも大規模投資や現場の全面刷新には慎重な傾向が伺えると指摘する。 また、物流の2024年問題に伴うドライバーの労働時間規制により、中継地としての中規模デポ拠点の重要性が高まっている。そうした拠点では、特に全面的な自動化に向けた大規模設備投資が必ずしも最善ではなく、人手不足への対応や、経験・熟練度に依存しない品質維持が求められている。同社はそのような状況に対して、物流現場では既存設備や運用を活かしながら品質を確保し、生産性を高める「現場にマッチした自動化」が求められている点に着目。長年培ってきた計量検品技術、20年以上の実績を持つ「さいまるカート」のノウハウと自律搬送技術を組み合わせることで、「さいまるカート AMR」の開発に至った。
●「さいまるカート AMR」のコンセプト
①計量検品機能と自律搬送の組み合わせ
「さいまるカート」は、イシダが20年以上にわたり提供してきたピッキングカート。ピッキングと同時に計量検品することで、経験や熟練度に依存しない出荷作業を支援してきた。「さいまるカート AMR」は、この計量検品技術と自律搬送機能の組み合わせを目指して開発したモデル。自律搬送によって作業者によるカート移動の負担軽減を図り、物流現場における省人化や作業効率向上への貢献を目指す。
②高い安全性と安定走行を目指した技術連携
カート本体の設計はイシダが主導し、新たに武蔵精密工業の自動車駆動系技術と、ソニーセミコンダクタソリューションズの3DセンサおよびAMR制御技術を組み込んでいる。各社の技術を組み合わせることで、物流現場で求められる安全性に配慮しながら、安定した自律走行と高精度な計量検品の実現を目指している。
③既存設備を活かす「協働ピッキング」
現行の「さいまるカート」を導入している現場では、AMRモデルを追加導入し、混在運用することも想定している。「協働ピッキング」では、AMRがあらかじめ作業エリア内を移動して棚前で待機し、手押しカートで巡回する作業者が自身のピッキング作業とあわせてAMR側のピッキングも実施する。これにより、作業者1人が複数台のカートを活用して作業できる運用を想定しており、生産性向上への効果を検証していく。

●今後の展望
今回参考出展する「さいまるカート AMR」では、物流現場の顧客からの意見や要望を収集し、今後の製品開発や実証実験等に活用していく。

