サントリーロジスティクス㈱と㈱豊田自動織機は9月1日、「サントリーロジスティクス浦和美園配送センター」(埼玉県さいたま市)で豊田自動織機が開発したマルチロードハンドラ仕様のトラック荷役対応自動運転フォークリフト「Rinova Autonomous」を用いた実証実験を、2026年11月より開始すると発表した。

マルチロードハンドラとは、フォークの数を2本と4本に切り替えが可能な装置で、1台のフォークリフトで1パレット搬送と2パレット搬送の両方への対応が可能。実証では、トラック荷役の自動化領域のさらなる拡大を目指し、異なるパレット数を搬送する場合のトラック荷役の精度・安定性や実運用での対応力を検証する。マルチロードハンドラを搭載した3D-SLAM誘導方式のトラック荷役対応自動運転フォークリフトは国内初となる。

豊田自動織機製マルチロードハンドラ仕様トラック荷役対応自動運転フォークリフト

飲料業界では、保管・搬送効率を高めるため、2つのパレットを同時に搬送できる4本フォーク仕様のフォークリフトが広く活用されている一方、トラックへの積み込み作業時や工場への搬入時等、パレット数や物流設備の条件によっては1パレットのみを2本フォーク仕様で搬送する必要がある。このため、トラック荷役の自動化においては、1台のフォークリフトでフォーク数を切り替えるニーズがあった。今回、実証を行う同自動運転フォークリフトはパレット数に応じてフォーク数を切り替えられるため、様々な物流現場の状況に応じたトラック荷役の自動化が可能になる。

サントリーロジスティクスでは、長津田配送センター(神奈川県横浜市)への自動搬送ラックの設置等、配送センター業務のDX化に積極的に取り組んできた。自動運転フォークリフト領域においては、2021年に浦和美園配送センターで入庫製品格納作業の自動化を、豊田自動織機との協業で実現している。一方、バースに接車したトラックへの積み込みや、トラックからの荷降ろしに関しては人による作業で対応していた。同自動運転フォークリフトが実稼働すると、パレット作業においてトラックからの荷降ろし、格納、保管、その後のトラックへの積み込みまで一連のフォークリフト作業全ての自動化が可能となり、慢性化した物流業界における人手不足と高齢化に大きな効果が見込めるものと期待している。

豊田自動織機は1989年以降、工場や倉庫など屋内での定位置荷役が可能な無人搬送フォークリフトや無人搬送車等、自動化製品のラインアップを拡充してきた。昨今、労働力不足や物流量の増加を背景に、自動化ニーズが一層高まる中、未だ有人作業が中心で自動化が進展していない領域であるトラックへの自動積み込み等、不定位置荷役の作業にも対応する製品の開発に注力している。

両社は、現場で求められる荷役方式に、より柔軟に対応できる自動運転リフトの実用化、ならびに安定的な出荷体制の構築を図ることを目的に今回の検証を進め、2028年9月以降の実稼働(稼働場所未定)を目指していく。

※1:周囲の環境を3次元認識しながら自己位置を推定する「3D-SLAM誘導方式」として(豊田自動織機調べ)

●実証実験概要
開始時期:2026年11月~
場所:サントリーロジスティクス㈱ 浦和美園配送センター

●マルチロードハンドラー仕様トラック荷役対応自動運転フォークリフト「Rinova Autonomous(リノバ オートノマス)」概要
①1パレット搬送と2パレット同時搬送の両方に対応可能
②3D-LiDARを用いてトラックの位置や荷台を検知し、積み付け位置を特定
③3D-SLAM誘導方式によるガイドレスな自動運転
④ディープラーニング技術を活用し、マーカ等の目印なしでパレット位置・姿勢を検出
⑤フォークの差し込みから荷台への積み込みまで、パレットやトラックの位置に合わせたアプローチ経路を自動生成し、自動で荷役が可能
⑥トラック1車分の荷役回数、搬送パレット数、順番等の作業計画に従いフォーク本数を切り替え

なお、豊田自動織機はマルチロードハンドラー仕様トラック荷役対応自動運転フォークリフト「Rinova Autonomous」を、9月8日~9月11日に東京ビッグサイトで開催される「国際物流総合展2026」に出展する予定。