ヤマト運輸㈱は6月9日より、貨物軽自動車運送事業者や「白ナンバー」を使用する事業者の安全管理業務を支援する新サービス「e-TranSpot(イートランスポット)」の提供を開始した。e-TranSpotは、専用の車載機とスマートフォンのアプリケーションを活用し、ドライバーの運行日報や点呼記録等のデジタル化と一元管理を実現する。さらに、GHG排出量の自動算出機能も搭載しており、事業者の安全管理と環境対応を支援する。

アルコールチェックの結果をアプリに入力する様子
運行日報(業務の記録)を確認する様子

画像(2点並列):アルコールチェックの結果をアプリに入力する様子 運行日報(業務の記録)を確認する様子

近年のEC市場の急成長による需要拡大に伴い、貨物軽自動車の保有台数は年々増加している。これに伴う貨物軽自動車の死亡・重傷事故の増加を背景に、2024年4月から「貨物軽自動車安全管理者」選任制度が新設され、安全対策が強化されている(※1)。

安全管理者には、ドライバーへの監督・指導や点呼、安全計画の策定・実施、業務記録の保存等、幅広い安全管理業務が義務付けられているが、その多くがアナログな手法で行われていることから、業務の効率化が課題となっている。

さらに、「白ナンバー」を使用する自治体や民間企業等においても、貨物軽自動車運送事業者と同様にアルコールチェックの義務化や、脱炭素社会に向けた環境対応の重要性が高まっている。

※1:国土交通省:貨物軽自動車運送事業における安全規制について
https://wwwtb.mlit.go.jp/shikoku/content/000338303.pdf

●e-TranSpotの概要
専用の車載機とスマホアプリを活用し、法令で作成・保管が義務付けられている業務の記録や点呼記録等のデジタル化と一元管理を可能にする。

ヤマト運輸は2026年2月から貨物軽自動車運送事業者の㈱カインドッグスおよび神奈川県藤沢市と実証実験を実施。実際の現場の知見の共有や課題を抽出することで、より実用性の高いサービスとなっている。

●特長
①法令順守のサポートと日々の業務負担軽減
専用の車載機から取得した走行軌跡データをもとに運行日報(業務の記録)を自動作成する。さらに、車両の日常点検やアルコールチェック等の点呼記録を、ドライバーがスマホアプリに直接入力することで、ペーパーレスで一元管理できる。

また、事前に登録した運転免許証の有効期限が切れた際にはアプリの利用を制限し、コンプライアンス違反を未然に防ぐ機能も搭載している。アナログ管理から脱却し、法令順守をサポートしながらドライバーや安全管理者の日々の業務負担を軽減する。

②安全運転の促進と経営資源の適正化
走行中のアクセルやブレーキ操作から、急加速・急減速などの危険運転を検知する。これらの情報を運行日報に反映させることで、運行終了後にドライバー自らが運転を振り返る機会を作り、安全意識のさらなる向上を促す。さらに、日別の車両稼働状況も可視化できるため、経営資源の適正化や効率的な運用にも活用できる。

③GHG排出量可視化による環境への対応
走行距離や燃費データ等から車両ごとのGHG排出量を自動算出する機能により、手作業での複雑な計算の手間を削減できる。エコドライブの推進・検証への活用だけでなく、荷主企業等からGHG排出量のデータ提出を求められた際にも迅速な対応が可能。

※「e-TranSpot」のサービス構築およびプラットフォーム基盤の開発・運用は、㈱スマートバリューの協力を得て行っている。

※同事業はNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「グリーンイノベーション基金事業/スマートモビリティ社会の構築」プロジェクトの補助事業を活用して開発したもの。

●今後について
ヤマト運輸は、引き続き利用者のニーズに応じたサービスラインアップを拡充。車両を使用する事業者の安全管理業務や環境対応等の経営課題の解決に寄与していくとしている。