フードテクノエンジニアリング㈱は2月4日、施設総合マネジメントシステム「VERDECORE(ヴェルデコア)」を開発したと発表した。

同社は食品工場や低温物流センターにおける冷却設備を中心とする「食」に特化したトータルエンジニアリング事業を軸としているが、新たにEMS(エネルギーマネジメントシステム)事業に取り組んでいる。

VERDECOREは、“省エネ・省力化・安心・脱炭素経営”を1つのシステムで実現する、施設総合マネジメントシステム。エネルギー問題、人手不足、災害・停電リスクといった業界共通の課題に対して、設備・制御・運用を一体で最適化することで、持続可能な施設運営を支援する。VERDECOREとは、「VERDE(緑)」と「CORE(核)」を組み合わせた同社独自の造語。

世界中で地球温暖化、脱炭素、カーボンニュートラルと叫ばれる中、日本国内では年間約19.2億kWh(2023年)の再生可能エネルギーが出力制御等により活用されずに捨てられているという現状がある。これは45万世帯の年間消費電力量に相当する。

「発電した再生可能エネルギーを、地産地消でいかに100%使い切るか」という問いに対する1つの答えとして、同社は冷蔵倉庫という“止められないインフラ”に着目した。同社にはこれまで約20年にわたる低温物流センター・冷蔵倉庫での施工、中央監視、省エネ導入実績を持つ。システムは自社開発、顧客に合わせてカスタマイズ可能、冷却制御×EMSで他社にはない付加価値を提供できる。そのノウハウを生かし、冷蔵倉庫向けに環境負荷の低減と安定運用を両立する仕組み作りを目指し、VERDECOREを開発した。

●冷蔵倉庫業界の課題
冷蔵倉庫業界では現在、主に以下3つの課題が顕在化している。

①ランニングコストの増大
電気料金や燃料費の高騰に加えて、生成AIの普及やデータセンター需要の拡大により、今後も電力需要は増加し、電気料金は中長期的に上昇が見込まれている。

②災害・停電リスクへの対応
地球温暖化に伴う異常気象の頻発により、停電リスクは年々高まっている。冷蔵・冷凍設備は停止が許されないため、電力系統への過度な依存を減らし、BCP対策を強化することが不可欠となっている。

③人材不足と業務負荷の増大
少子高齢化の進行により、現場を支える人材の確保は今後ますます困難になる。休日・夜間のトラブル対応や日々の設備管理業務の1人あたりの負担が増えることが予想され、設備・運用の自動化・遠隔監視等のデジタル技術の導入を余儀なくされている。

●VERDECOREが生み出す4つの効果
冷蔵倉庫を知り尽くした同社が、従来の発想を超えて、太陽光発電や蓄電池、エネルギー制御技術を冷却設備と融合させることで、設備・制御・運用を統合的に最適化し、同社独自の冷蔵倉庫のエネルギー改革を提案する。

VERDECOREが生み出す4つの効果

●今後の展望
これまで冷蔵倉庫は、「大量の電力を消費する施設」である一方、エネルギー制御の観点では十分な選択肢が限られていた。同社はこの構造的課題に対して、設備・制御・運用を一体で捉えた新たなスタンダードを提示していく。再生可能エネルギーは、もはや一部の先進的な取り組みではなく、社会インフラとして当たり前に組み込まれる存在になると考えている。さらに将来的には、冷蔵倉庫を中心に、VERDECOREの導入を段階的に拡大し、エネルギーコストの抑制、BCP対応力の強化、脱炭素経営の推進を同時に実現する施設作りを支援していくほか、実運用データの蓄積と分析を通じて、より高度な制御・最適化を図り、現場に即した進化を続けていく。

●VERDECORE実証実験工場見学
同社グループ会社のテクシード石井工場では、太陽光発電設備、蓄電池、EV充電器を導入し、VERDECOREによるエネルギーの最適制御を実装している。カーボンニュートラルの実証実験工場として、実際の運用を見学することが可能。

テクシード石井工場