ハコベル㈱は10月30日、企業の経営層/物流統括管理者(Chief Logistics Officer:CLO)/物流企画部門向けに、法改正対応及びデータの可視化と活用を支援する3つの新サービスを提供開始すると発表した。

提供を開始するのは、経営層/CLO/物流企画部門向け相談窓口「法改正無料アドバイス」、物流データの可視化ツール「法改正対応ダッシュボード」、データ変換・連携をAIで支援する「AIデータコンバーター」。

●展開する新サービスのポイント
・「法改正の詳細を把握できていない」「自社が必要な対応を確認したい」といった法改正にまつわる顧客の悩み相談に無料で対応。期限が目前に迫る法改正対応へ万全に備える。

・ハコベルならではの「現場視点+経営視点」で設計。ハコベルのDXシステム以外にも、既存システムやExcelからのデータ取得に対応し、現場への負担は最小限に「経営/法改正対応に使えるデータ」を可視化する。

・既存の基幹システムやWMS、導入済みの他社システムともオープンに連携。個別開発を前提としない汎用的な仕組みを実現し、各社の実情に合わせた業務最適化を推進する。

2025年4月以降、物流関連二法(物流効率化法・貨物自動車運送事業法)改正により、新たな努力義務や義務の制定が進められている。特に物効法により、年間取扱貨物重量が9万トン以上の「特定荷主及び特定連鎖化事業者」において2026年4月以降、CLOの選任や中期計画の提出等が義務付けられるほか、貨物自動車運送事業法では多くの物流関連事業者に対して、それぞれの立場に応じて実運送体制管理簿や契約内容を記載した書面の交付など新たな義務が課される。同社によると、法改正へは期待も大きい一方、現場業務に追われる各社ではその全体像の把握が追いつかず、自社が受ける影響や、新たに必要となる対応が何かといった理解が進んでいないケースが少なくないと指摘する。

また、法改正への対応を進めている企業では、「中長期計画・定期報告」「DX推進」に向け、物流に関わる各種データの取得・可視化が重要なテーマとなっています。他方、これらのデータは輸配送システムのみならず基幹システム等に点在しており、構造や形式も様々です。そのため、データの一元化や可視化のために、導入済みのシステムの入れ替えや、システム間連携のための追加開発が必要となり、多額の投資を伴うことが課題となっています。

そのような状況下、同社では、各社の状況や予算に応じた柔軟な選択肢を提供することで、物流業界全体の持続的成長に貢献できると考え、基礎的な法令解説を含む法改正対応の支援から、汎用的な仕組みによるシステム間連携のサポート、さらにその先のDX推進支援まで、各社の実情と現場に寄り添う3種の新サービスを開始することになったとしている。

●3つの新サービスの概要
(1)「法改正無料アドバイス」
経営層/CLO/物流企画部門を主な対象とし、法改正への対応や物流DXに関する経営課題に対して専任のパートナーが無料で相談を受け付ける。特に物流関連二法(物効法・貨物自動車運送事業法)対応を中心に、顧客のニーズに合わせた助言を行う。

◎主な相談受付内容
○法令の基礎解説
○基本情報シートをもとにした自社ポジションの診断
○アクションプランの策定・提案
 ・中長期計画の策定サポート
 ・定期報告に向けた現状把握と課題整理
 ・実運送体制管理簿・書面交付の整備と運用設計

○物流ダッシュボードを活用したデータ整備・可視化

○DXシステム導入・システム間連携の推進

同社によると、同社のシステム導入はあくまで解決手段の1つと位置付けており、状況や顧客のニーズを踏まえ、他の解決策も含めて中立的に提案するとしている。

※同サービスは法改正に伴う現場対応や業務設計、データ整備を支援するコンサルティング。法律上の判断や個別の適用解釈が必要な場合、サポート対象外となる可能性がある。

(2)「法改正対応ダッシュボード」
物流関連二法対応やDX推進に必要な物流データの取得・可視化を、経営視点で一元的に行える専用のダッシュボード。同社の提供する各種DXシステムをはじめ、Excelや導入中の既存システムなど現状の運用手段を問わずデータを集約し、可視化する。現在Excelベースでアナログ中心に運用されている企業・拠点に対しては、運用の急な変更に伴う現場への負荷を考慮し、まずは「データ取得」から着実にスタートすることが可能。他方、すでにDXに取り組んでいる企業・拠点においては、収支モニタリング、物流データ分析、CO2排出量計測などさらに高度な活用に向けて伴走支援を行う。

(3)「AIデータコンバーター」※近日リリース予定
DX推進やその実現に必要なデータの可視化に向け、データ基盤を支えるサービス。物流業務においては、様々な種類のツールやシステムが導入されているほか、データの種類やフォーマットが多岐にわたっている。「AIデータコンバーター」は、AIを活用することで、構造が様々なデータを整備・変換し、システム間でのデータ連携を実現する汎用データコンバータ。これにより、システム連携等にかけられる予算が限られた企業においても、自社の運用に最適なシステムやツールを組み合わせ、無理なくDXを実現することが可能となるとしている。