㈱椿本チエインとKDDI㈱の合弁会社である㈱Nexa Ware(ネクサウェア)は10月27日より、物流倉庫向けデータ分析サービス「Nexa Warehouse-Optimizer」を月額で利用可能な「Entryプラン」と「Premiumプラン」の提供を開始した。

利用目的や分析期間に応じて柔軟に選べるプラン体系を整えることで、顧客に合わせた最適なプランを選べる。

新プランの提供では、「シフトシミュレーション」と「予実管理」機能を強化した。導入時の初期負担軽減に加え、出荷作業量に応じた最少の運用人数予測、急な欠員や作業遅延時の作業員再配置を支援する。これにより、現場管理者の負荷軽減や迅速な意思決定の促進、作業者の労働時間抑制、出荷遅延の防止等を実現し、物流倉庫業務の継続的な業務改善とコスト最適化に貢献する。

また、同サービスは、KDDIとアマゾン ウェブ サービス ジャパン(合)(AWS)の戦略的連携のもと、低コストかつ安定した運用を実現するクラウド環境により提供する(※1)。

●背景
①2024年8月に提供開始した「Nexa Warehouse-Optimizer」は、シフトシミュレーション、予実管理、KPI可視化、作業完了予測、AGV稼働モニタといった、物流現場の生産性向上に貢献するデータ分析・可視化機能を展開している(※2)。さらに2025年4月には、SaaS(Software as a Service)化の推進に伴い、AGV稼働モニタの高度化やソータ稼働モニタ機能の追加等、機能拡充を行い、現場ニーズに即したサービス改善と基盤強化に取り組んでいる(※3)。

②提供開始以降、顧客ごとの業務内容や環境に応じて導入、評価を進めてきたが、導入までのリードタイム等が課題となるケースもあった。そうした状況を踏まえ、より多くの物流現場に迅速かつスムーズに導入できるよう、標準化されたプラン設計と柔軟なシステム構成の検討、開発を行い、新プランの提供に至った。

●新プランについて
今回提供を開始する「Entryプラン」「Premiumプラン」は、顧客の目的に応じて選択可能な料金体系を採用し、より多くの顧客が手軽に導入可能なサービスとなっている。さらに顧客ごとに異なる作業工程や多様なデータ形式にも柔軟に対応できるシステムを新たに設計したことにより、初期導入期間を従来の2週間から1週間へと短縮し、導入コストの大幅な削減を実現する。

①Entryプラン
スモールスタートで導入希望の顧客向けプラン。低コストで導入でき、日次・週次単位でのデータ集計に対応。物流倉庫の稼働状況把握、業務改善が可能。顧客の要望に応じて、スムーズにPremiumプランへアップグレードできる。

【Entryプラン詳細】
・「シフトシミュレーション」・「予実管理」機能対応
・1週間のデータ保存期間 ※データ量により変動する場合あり
・日次・週次単位でのデータ集計
・データアップロード機能付

②Premiumプラン
Entryプランの上位プラン。Entryプランでの提供内容に加えて、リアルタイム分析や中長期的にデータの分析を行い、将来設備の最適化検討等にも活用したい顧客向けのプラン。また、Entryプランに比べて多人数での活用が可能。

【Premiumプラン詳細】Entryプランに下記機能を追加
・リアルタイムで可視化
・1年間のデータ保存期間 ※データ量により変動する場合あり

●機能のアップデートについて
新プランの提供にあわせて、「シフトシミュレーション」と「予実管理」機能を強化し、より現場のニーズに即した機能改善を行った。

①シフトシミュレーション
倉庫における作業内容・予測出荷量・現場状況に応じて、作業員のシフトを自動作成する。事前の人員確保に必要なシミュレーションに加えて、倉庫全体の人員配置を最適化することで、オペレーションの効率化に貢献する。

<主なアップデート内容>
・顧客の倉庫業務に応じた作業工程の設定とシフト作成が可能
・雇用形態に応じて変動する勤務時間を考慮し、より実運用に適したシフト調整が可能
・パラメータシートの活用により、入力工数の削減と再利用性の向上を実現

シフトシミュレーション画面

②予実管理
作業工程ごとに日々の出荷数に基づく進捗状況を確認でき、当日の作業進捗に応じた完了時刻を予測する。作業遅延の予防やスムーズな集荷・荷役作業を支援し、トラックドライバーの荷待ち時間削減にも貢献する。

<主なアップデート内容>
・フィルタ項目の設定機能を強化し、顧客の要望に応じて表示内容の設定が可能
・過去の実績進捗を確認できる機能を追加し、日々の振り返りや改善活動に貢献

予実管理画面

今後は、物流倉庫内の自動化設備と連動した分析・最適化機能を拡充し、設備の稼働状況や作業効率の可視化を通じて、現場の運用改善を継続的に支援する。業務の生産性向上や運用コストの最適化を促進しながら、顧客の事業成長に貢献していくとしている。

※1:KDDIニュースリリース 「WAKONXにおいてAWSとの戦略的連携を開始」(2025.2.21)
https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-452_3729.html

※2:Nexa Wareプレスリリース「物流倉庫業務を効率化するデータ分析サービスを提供開始します」(2024.8.22)
https://nexaware.com/post-106/

※3:Nexa Wareプレスリリース「Nexa WareとKDDI、物流倉庫の課題解決を加速」(2025.3.28)
https://nexaware.com/post-0328/