パナソニック コネクト㈱(パナコネクト)は9月30日、象印マホービン㈱にタフブックFZ-G2シリーズを納入したと発表した。
象印マホービンでは、物流現場で使用するデバイスを従来のタブレット型端末から高い堅牢性を誇るタフブックへ刷新することで、業務やIT資産管理の効率化、安全性・コスト最適化を実現したとしている。

パナコネクトによると、象印マホービンでは従来、物流現場における入荷時の検品・格納、出荷時のピッキングや仕分け、在庫移動の検索、棚卸時の実棚入力等、多岐にわたる業務で他社製のタブレット端末を活用してきたが、実際の運用においては以下のような大きな課題が顕在化していた、と報告している。
①堅牢性への不安
物流現場では端末を手に持ちながら作業する機会やフォークリフトに搭載して利用する場面が多く、落下や衝撃による破損リスクが常に伴っていた。
②業務効率への影響
従来導入機種はバッテリの持続時間が短いことに加えて、寒冷地では充電が正常に行えず、気温が上がるまで端末が起動しないといった事態も発生していた。
③保守コストの負担
OSアップデートについて社内対応ができず、外部に委託せざるを得ない状況にあった。
④セキュリティ上のリスク
保有していた機種では、最新のセキュリティパッチが当てられなかった。
そうした背景から、堅牢性が高くかつ長時間の稼働が可能で、最新のセキュリティ環境を維持できる新たな端末の導入検討が進められる運びとなった。
●タフブック選定のポイントと担当者の声
象印マホービンでは新たに導入するタブレット端末を選定するにあたり、「高い堅牢性」「長時間駆動かつバッテリ交換が可能」「Windows OS搭載」という3点を必須条件とした上で、さらに以下の3点を重視し、タフブックの採用を決定した。
①従業員の安全性を最優先に考えた設計
「タフブック導入の決定にあたっては、現場の声を丁寧に反映しました。各責任者が『現場に本当に必要な機能・仕様は何か』を議論した結果、最も多く挙げられた要望が『手袋を着けたままでも操作できること』でした。物流現場では段ボールの鋭利な端で指を傷つけるリスクがあるため、手袋着用は欠かせません。安全を守りつつ円滑に作業できる点が大きな評価につながりました」
②物流現場での操作性を高める工夫
「現場からの声でもう1点多く挙がったのが、『タブレットなのに物理ボタンがあってスピード操作できる』という点でした。タフブックFZ-G2本体に搭載された物理ボタンを利用することでバーコードリーダやカメラを即時に起動ができることが現場から高く評価されました。『商品事故があった際に素早く現場保存ができる』との声も上がり、タフブックの使い勝手の良さが導入を後押しするきっかけとなりました」
③1台で業務を完結できる利便性
「また、タフブックFZ-G2にはバーコードの読み取り機能が追加できることも重要なポイントでした。バーコードの読み取りは今までは小型のスキャナをBluetooth接続で対応していたのですが、タフブック本体にバーコードリーダが搭載されることで、現場業務が1台ですべてが完結し、業務効率化が図れることも導入の決め手となりました」
●導入の効果
①堅牢性の向上
タフブックFZ-G2導入後半年経過時点において故障の報告はなし
②業務効率の向上
バッテリの持ちが安定し、業務時間8時間に対して十分な稼働時間の確保が実現
③保守コストの削減
WMS(倉庫管理システム)アプリの大幅な改修が可能になり、毎月3~5件程度発生していた過不足出荷や誤出荷がほぼ解消
以前からレッツノートを社用PCとしており、今回のタフブック導入で、モバイル端末の問い合わせ窓口がパナコネクトに一本化され、効率化
④セキュリティの向上
システム管理ツールとの連携したアップデート管理やセキュリティ設定が可能に
象印マホービンでは、東日本配送センターでのこうした導入効果を踏まえて、九州の物流拠点で10台の導入、西日本の部品管理拠点で11台の導入を検討中で、全社的な展開も視野に入れている。
●象印マホービン㈱ 経営企画部 システムグループ サブマネージャー 大窪真司氏のコメント
AI活用による需要予測データをリアルタイムで活用するといった未来の可能性も秘めており、今後はタブレットとともに現場のDX推進を加速させるような取り組みを進めていきたいと考えています。
●象印マホービン㈱導入事例
https://connect.panasonic.com/jp-ja/case-studies/zojirushi-2

