㈱イトーキは7月3日、ドライバーの労働時間規制や人手不足の影響を受けて再編が進む物流業界において、保管機能の最適化を図る新たな提案として、高速荷揃え機能を兼ね備えた保管庫特化型自動搬送システム「X-NR(プロジェクトコード)」を開発したと発表した。
「高速入出庫処理」と「収納効率」を両立した保管庫特化型モデルとして、システマストリーマー「SAS」シリーズの新たな方向性を示すもの。高収納型の新物流ソリューションとして2026年から市場投入し、製造業の1次保管庫やEC物流センター、医薬品・化粧品など多品種小ロットの荷扱いが求められる現場等での活用を想定している。

●製品の主な特徴
①水平+垂直の「三次元的なピッキング」で実現した、「高速入出庫処理」と「収納効率」
既存のシャトル式自動倉庫「SAS-R」が得意とする順立て・荷合わせ・ピッキング機能による高速な入出庫処理能力を継承しつつ、シャトル台車に上下昇降機構を追加。これにより、水平方向+垂直方向の「三次元的なピッキング」が可能となり、シャトル式自動倉庫の順立て・荷合わせ・ピッキング機能による「高速入出庫処理」と、スタッカークレーン式自動倉庫の「収納効率」の両立を実現した製品。

②ピッキング機能の薄型化により、豊富な荷姿バリエーションへの対応を更に強化
同社既存モデル「SAS-R」は、コンテナをはじめ、段ボール箱や折りたたみコンテナ等、様々な形状・サイズの荷姿に対応可能な搬送性能を備えている。今回の「X-NR(プロジェクトコード)」ではその対応力をさらに高めるため、ピッキング機構のユニットを薄型化。これにより、高さの低い荷姿への対応力を強化し、従来以上の収納効率を実現している。
③非常時の対応やメンテナンス作業など、安全性と保守性を両立するメンテナンスデッキ
同製品では、庫内に約2mピッチでメンテナンスデッキを標準設置。各階層ごとに独立した作業空間を確保することで、緊急時の対応や定期点検・保守作業において高い安全性と作業効率を実現している。さらに、作業エリア単位での切り離しや対応が可能となるため、運用中の停止リスクを抑えたスムーズなメンテナンス対応が可能としている。
●製品仕様
製品プロジェクトコード:X-NR
収納物サイズ:最大:W500×D650×H600 最小:W300×D450×H50
収納物重量:最大:30kg/箱(段ボール箱の場合は20kg迄) 最小:1kg/箱
メンテナンスデッキ:高さピッチ:H2,000ごとを目安に設定
価格、その他仕様:機器仕様や保守契約など導入計画に合わせて提案。
製品URL:2025年12月末より掲載予定。

