パナソニック コネクト㈱(パナコネクト)は6月30日より、「ロボット現場導入サービス」の提供を順次開始していくと発表した。同サービスを活用することにより、100%子会社でEnd-to-Endのデジタルサプライチェーン変革のリーディングソリューションプロバイダーであるBlue Yonderが提供する「Cognitive Solutions for Execution: Warehouse」(※)の連携を強化することができる。具体的には、日本市場で普及が進まない物流・製造現場の自動化・ロボット導入を容易にし、さらにそれを上記のBlue Yonderのソリューションと組み合わせることで、より付加価値の高いサービスを実現するもの。
※Cognitive Solutions for Execution: Warehouse:Blue Yonderが新たに発表した、AI/MLを活用し、倉庫の効率性を最大化し、受注から保管、配送までの業務プロセスのフルフィルメントを加速させ、ROI(投資対効果)を向上させることを目的としている。
https://blueyonder.com/release-announcements/1h-2025-release/details
日本の物流・製造現場では、今後ますます厳しくなる労働力不足の影響もあり、現場の自動化ニーズが急速に高まっている。ところが、自動化・ロボット導入の障壁が高く、日本ではなかなかロボット導入が進まない現状がある。それは、従来のロボット導入には専門のスキルを持つ専門業者(ロボットSIer)が不可欠な上、企画から現場導入まで、最低でも1~2か月を要し、導入企業側にも、それを支援するロボットSIer側にも負担が大きいという本質的な課題があった。

また、ロボット導入後においても、現場オペレーションが変わるごとに、システムインテグレーションコストがかかることや、複数メーカーのロボットに対応することが困難といった課題があった。さらに従来は、部門ごとに異なるベンダーのロボット・ハードウェアを導入している企業は、複数メーカーのロボットを統一したユーザーインターフェース(UI)で機器制御できず、メーカーごとにUIが異なることで、開発の平準化が困難であるといった課題があった。
●提供価値
2025年10月に提供予定の「ロボット制御プラットフォーム」は、現場作業者やロボットSIerが、必要な作業を自身で設定可能なユーザーインターフェースを用意し、物流・製造現場へのロボット導入、運用開始後のロボットSIerやシステム開発者の負担を大幅に削減する。具体的には、企画からロボット導入にかかる期間を、最大50%削減する(社内実績に基づく同社試算)。さらに、複数メーカーを跨いで一元的に、設定・制御・運用できることで、急なロボット・ハードウェア変更や現場オペレーション変化に、フレキシブルに対応できるようになる。
また、ロボット導入後には、Blue Yonderの「Cognitive Solutions for Execution: Warehouse」と同サービスを組み合わせることで、様々な自動化機器を連携させ、人とロボットを分け隔てなく統合的に制御可能。これにより、例えば物流倉庫の複数工程を同期させることで、出荷作業等の効率化を実現し、より付加価値の高いサービスを提供することが可能になる。
●提供サービス
具体的には下記2つのサービスを、順次提供していく。
(1)ロボット制御プラットフォーム(※2025年10月より、順次機能提供を開始)
同プラットフォーム(PF)を利用することで、様々なメーカーのロボットや機器を一元制御することができる。また、現場導入をサポートする様々なツールやビジュアルプログラミングといった導入サポート機能により、ロボットSIerだけではなく、エンドユーザーのロボット導入のハードルも下げることができます。これにより、企画からロボット導入までの期間を最大50%削減し、ロボット導入がなかなか進まなかった日本市場での自動化ニーズに対応していきます。本PFの主要な特長は下記3点です。
<3大特長>
①マルチロボットメーカー対応
様々なメーカーのロボットや機器を同じインターフェースで一元制御できる
これにより、フレキシブルに他ベンダーへのロボット変更も容易になる
②ビジュアルプログラミング
ブロックの組み合わせで、ロボットの動作を簡単作成
③標準設定テンプレート
主要動作が組み込まれたテンプレートで用途変更や新たな用途へ簡単に展開

(2)システム連携サービス(※2025年6月30日より、順次機能提供を開始)
同システム連携サービスは、Blue Yonder等が提供する上位システムと「ロボット制御プラットフォーム」や様々なロボットベンダーとの間を有機的に連携させるもの。同サービスが様々なシステムとデータ連携することで、より付加価値の高いサービスを提供可能。
具体的には、ラピュタロボティクスが提供する「自在型自動倉庫 ラピュタASRS」と「ロボット制御プラットフォーム」を連携させた共同開発ソリューションを、2025年10月に提供開始予定。

上記2つのサービスは、Blue Yonderソリューションと組み合わせて利用するだけでなく、それぞれのサービスを単独でも利用することが可能。これにより日本市場の様々なニーズに対応していく。
●問い合わせ
顧客の要望や状況に合わせて、相談・見積りを行う。下記から要問い合わせ。
https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services/task-optimization/top
●今回のサービスに関する特許出願数
パナソニック コネクト:76件